飲食店に効果的な集客方法とは？インバウンド需要にも強い集客ノウハウ

法人、個人問わず比較的気軽に開業しやすい飲食店は、競合他社が多いことでも知られています。ライバルとなる競合他社が多ければ多いほど、集客に苦戦する飲食店も多いです。

飲食店を経営していく上では、集客は常に考え続けなければならない重要なテーマといえるでしょう。

今回は、飲食店の集客力アップのために必要な取り組みについて解説します。今すぐできる具体的な集客方法と新規顧客獲得のための新たなアプローチ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

飲食店の集客力を高めるためのポイント

飲食店の集客における取り組みにはさまざまな方法があります。効率的に集客するためには、集客する前に知っておきたい大切なポイントがあります。以下では、集客力をアップする上で知っておきたいポイントを4つ解説します。

ポイントその①：お店のコンセプトを固める

集客力アップのためには、まずお店のコンセプトを固めましょう。コンセプトが曖昧では、最適なターゲティングや集客方法を行えません。

コンセプトは誰にとっても分かりやすいことが大切です。既にコンセプトがある場合も、再度見直してみることで集客力アップにつながるかもしれません。

ポイントその②：ターゲットの分析し情報発信する

お店のコンセプトが決まったら、次は来店してくれるお客様にどのような特徴があるのかを分析します。強みとなるコンセプトでは、どのようなお客様に来店してもらえそうかを考え、アプローチすべきターゲットを考察します。今まで来店してくれたお客様の顧客情報を活用してターゲットを分析しましょう。チェックしておきたい項目は下記の通りです。

1. 来店の客層（年齢や性別、職業など）
2. 予約情報（日時や時間帯、人数、予約の入ったタイミングなど）
3. 来店回数（リピーターもしくは、新規のお客様が多いのか）
4. 料理の注文数（人気メニューや注文の多い価格帯など）

ターゲットが絞れたら「この店に行ってみたい」と思ってもらえるための情報発信をします。ターゲットが特別感やお得感を感じられるような「期間限定」などといったキーワードを駆使して「今行くことでメリットがある」と思わせる情報の発信を心がけましょう。

ポイントその③：新規顧客の満足度を高める

情報発信によって新規顧客が獲得できたらおしまいではありません。お店を気に入ってもらい「また来たい」と思ってもらうことが大切です。

どんなに効果的な情報発信ができ新規顧客を獲得できても、お客様の期待を下回った料理やサービスでは再来店してもらうことは望めないでしょう。お客様から選ばれるお店になるためには、料理のクオリティはもちろん、接客サービスや清潔感も不可欠です。

さらに、新規顧客を獲得できた段階で大切なのが、再来店につなげるための顧客情報（氏名や住所、メールアドレスなど）の獲得です。ポイントカードやアプリのような再来店促進ツールを活用しましょう。

ポイントその④：リピーター獲得のための情報発信をする

一度来店し気に入ってもらえたとしても、さらにもう一押しすることが大切です。既存客の背中を押すような情報発信をすることでリピーター獲得の可能性がぐっと高まります。

来店時に顧客情報を獲得できていれば、リピーターになってもらうための情報発信が可能です。既存客に向けて、特別感とお得感を感じさせる情報をダイレクトに伝えることで再来店への一押しとなります。

飲食店に効果的なWeb集客方法

デジタル化が進む現代では、スマホやPCから飲食店の情報を得る人がほとんどです。今までのアナログ集客に加え、デジタルを駆使した集客が欠かせないものとなっています。

以下では、集客力アップにつながるデジタル集客の方法をご紹介します。また、今回紹介する集客方法は、今後のインバウンド需要を見越して、インバウンドにも活用できる集客方法を紹介しております。

集客方法	効果が出るまでの 期間	費用感	インバウンド対応
ホームページ	3-6ヶ月程度	50万円〜	⚪︎
SNS （instagram・Facebook）	3ヶ月程度	月額10万円〜	⚪︎
SNS （YouTube）	6ヶ月程度	月額10万円〜	⚪︎
Google ビジネスプロフィール	1~3ヶ月程度	無料	⚪︎
グルメポータルサイト	1ヶ月程度	ポータルサイト により変動	△ インバウンド需要が高い ポータルサイトの場合：⚪︎

ホームページ

ホームページは、グルメポータルサイトとは異なり自由にコンテンツを作成できるため、お店をブランディングしたり差別化したりするのに有効です。

さらに、SNSやグルメポータルサイトとリンクさせることで相乗効果も狙えます。ただし、ホームページ作成には初期費用として数十万〜数百万円程度、さらに毎月の運用コストもかかります。費用対効果を考え導入するか検討するようにしましょう。

飲食店のホームページに必要な要素

1. インバウンド需要に対応できる多言語対応
2. 予約システムとの連動
3. イベント、お知らせ情報の更新
4. アクセス情報
5. コンセプト設定
6. 料金
7. メニュー
8. 海外OTAとの連動

ホームページ成功事例（インバウンド）

アキバフクロウ

東京の秋葉原にある日本最大級のフクロウカフェである「アキバフクロウ」さんです。こちらはカフェでは、「旅好きが選ぶ！外国人に人気の日本の体験・ツアー 2020」の1位に選ばれたこともあるお店となります。

ホームページでは、多言語対応はもちろん、SNSでの発信も意欲的に行っております。

SNS（Instagram・Facebook）

近年、InstagramやＸ（旧Twitter）、LINE、FacebookなどSNSの利用者は増加しています。そのため、飲食店の集客においてもSNSによる集客活動は欠かせないものといえるでしょう。

SNSを活用した集客のメリットは、無料もしくは低コストで情報発信ができることがあげられます。お店のSNSに登録やフォローしてもらうことでリピート促進ツールとしても活用することも可能です。

お店の営業時間や新メニューの情報、キャンペーン情報なども気軽に発信できます。コストはかかりますが、年齢や性別、住んでいる地域などでターゲットを絞り込んで広告を打ち出すこともできます。

SNSで定期的な情報発信を継続して行ってフォロワーを増やすことができれば、強力な集客媒体となり得るでしょう。

インバウンド需要に対してもアプローチ可能

Facebook及びInstagramは海外の利用者も多く、インバウンド需要を獲得するために、SNSを活用しているケースは少なくありません。特にハッシュタグ検索（＃検索）が多く利用されることもあり、Instagramの投稿に対して英語のハッシュタグを設置することで、日本へ旅行に来た方にアプローチすることができます。

成功事例：つるとんたん

つるとんたんでは、投稿に対して英語翻訳も掲載することで、インバウンドで日本に訪れた外人に対してもアプローチしております。

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SNS（YouTube）

飲食店の集客として、動画コンテンツとして発信することができるYouTubeは非常に有効な集客方法です。画像や文章では伝えきれない店内の雰囲気や従業員の接客そして臨場感のある調理風景などアピールすることが可能です。

YouTubeは自社チャンネルとして運用する方法と、グルメ系インフルエンサーとコラボすることでマーケティングを行う2パターンがあります。自社チャンネルの場合は、インフルエンサーに左右されず継続的にコンテンツを上げることができる一方、継続する労力がかかります。

一方で、インフルエンサーマーケティングの場合は、依頼のたびに費用がかかる他、有名インフルエンサーの場合は、依頼料が数百万となるケースも少なくありません。

飲食店のYouTube成功事例

Googleビジネスプロフィール

飲食店の集客方法として、Googleビジネスプロフィールを利用する方法があります。Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに店舗の情報を表示させる無料サービスです。ユーザーにマップ上からお店を見つけてもらえるのが特徴で、写真や動画などの掲載も可能です。

口コミやレビュー機能のほか、お店のホームページやグルメポータルサイトと連携して集客につなげることもできます。

インバウンド需要への対応方法

Googleマップは、海外から来日された旅行客も利用するツールの一つです。そのため、Googleビジネスプロフィールにも、よく訪れる人の言語でも記載することが大切となります。

日本語表記していても、自動で翻訳されるため、英語圏や中国語圏など様々な人に対して自店舗をアピールすることが可能ですが、以下の情報は翻訳対象外となるため、併記するなど対応が必要となります。

グルメポータルサイト

グルメポータルサイトとは、飲食店の検索やオンライン予約、クーポン発行などができるWebサイトのことです。食べログやぐるなび、ホットペッパーグルメなどが代表的なグルメサイトとしてあげられます。

デジタル化が進む現代では、ほとんどの人が飲食店を探す際にグルメポータルサイトを活用してお店の詳細をチェックしています。

高い口コミ評価や上位に表示されるお店には、大きな集客効果が期待できるでしょう。また、口コミ投稿ではお客様からの生の声が聞け、返信することも可能です。お店の情報発信の場として活用するのもおすすめです。

主要なグルメサイト

飲食店のアナログ集客方法

飲食店の集客方法は、多岐にわたりさまざまな方法があります。効果的に集客するには、それぞれの集客方法を上手に使い分けることが重要です。以下では、飲食店の集客として多くの運用事例があるアナログ集客方法について解説します。

チラシ配り

昔ながらの集客方法の中でもっとも定番なのが、チラシ配りです。新聞の折り込み広告や住宅ポストへの投函、駅前や店頭で道行く人に手渡しする集客方法です。お店にチラシを備え付けて、来店者向けに配布することもできます。簡単にスルーできてしまうメールなどとは異なり、直接手に取り情報を伝えられるため、工夫次第ではしっかり読み込んでもらえる可能性があります。

店頭で行うチラシ配りはすべてのターゲット層に有効な集客方法です。即効性に優れた集客方法で、チラシを受け取った人がそのまま入店してもらえる可能性もあるでしょう。他の集客方法と併用して行うと効果的です。

DM（ダイレクトメール）

DM（ダイレクトメール）は、大量に配布するチラシとは異なり、特定の見込み客に向けて紙媒体で情報を発信する方法です。

何度も来店している常連客であっても、時間が経過すると足が遠のく場合もあります。ダイレクトメールは、足が遠のいた顧客の再来店のきっかけを作るのに適したツールです。お客様へお得な情報やお店の近況などを届け、再来店を促せます。

また、既存客の来店率アップにはお客様ごとに手書きでメッセージを書くのもおすすめです。手書きメッセージは特別感を与えられるため、お客様の「また来店したい」という気持ちを高められるでしょう。

また、高級感のある封筒などで投函することで、DMを受け取った人に特別感を与えられます。特に、会員制レストランや高級志向の飲食店であれば、お店のイメージとDMの特別感がマッチし集客効果が期待できます。

看板・ポスター・のぼり・ファサード

料理のメニューを書いた黒板や写真のボードなどを店頭に置くディスプレイ看板やポスター、のぼりなどの広告は、あらゆるターゲットに効果的です。お店の存在を知らず、たまたま前を通りかかった人などは、ディスプレイ看板に掲示されている内容を見てから入店を決めることがほとんどです。入店の決め手となるような魅力的なディスプレイ看板であるこが大切です。

また、自動車の交通量が多いロードサイドの店舗であれば、お店の存在をアピールできるのぼりも有効でしょう。

ファサードは、お店の業態やコンセプトを象徴するオブジェなどを配置することで印象を高める集客方法として効果的です。お店の前を通る人の視認性を高め、業態や看板料理、価格帯、利用シーンなどの情報がイメージできるようにすることがポイントになります。

ポイント・スタンプカード

リピーター顧客の獲得方法として有効なのが、ポイントカードやスタンプカードなどのお店の会員カードです。

ポイントやスタンプを貯めることで、割引サービスや料理１品サービスなどの特典を付けることで再来店へのきっかけとなり、リピートを促進できます。ポイントカードやスタンプカードは、手間もかからず低コストで導入できるのもメリットです。

新規顧客獲得のための集客方法

新規顧客獲得のためには、飲食店とは違う業態へ進出して集客していくのも1つの方法です。以下では、飲食店が新規顧客獲得できる代表的な業態を3つご紹介します。

テイクアウト

店内で飲食してもらうイートインだけではなく、テイクアウトを行うことで新規顧客獲得の可能性が広がります。既にあるメニューを包装して販売するテイクアウトなら、手間もコストもあまりかからずにスタートできるでしょう。イートインとは異なるターゲットへのアプローチにつながり、お店の認知度の拡大にも効果的です。

ただし、テイクアウトは時間が経過しても美味しく食べられる料理でなければなりません。お客様が持ち帰る時間を考慮したメニューを考える必要があります。

デリバリーサービス

コロナ過で急速に普及したUber Eatsや出前館などのデリバリーサービスを取り入れることで新規顧客獲得につながる可能性があります。

政府による働き方改革が推し進められる現代では、在宅ワークを導入する企業は年々増加傾向にあります。出社していたころは外食していた昼食や夕食を、在宅ワークではデリバリーサービスを利用するという方も少なくありません。

デリバリーサービスから集客につなげるためには、デリバリー商品と一緒にお店のチラシを入れることがポイントです。チラシには「デリバリーではなく実際に足を運びお店で食べてみたい」と思わせる工夫が必要です。料理は出来立てが断然おいしいということをアピールできるチラシを心がけましょう。

EC

飲食店は料理やドリンク、オリジナル調味料などEC販売できる商材が多数あります。EC販売なら、なかなかお店に足を運べない顧客層へのアプローチが可能です。新たな売上の収益源となる可能性も十分に秘めています。ECでの購入がきっかけで、来店につながることも期待できるでしょう。

ただし、EC販売をはじめるには、WEBサイトの立ち上げコスト、商品の制作費や人件費なども発生します。また、お店の業務に加えEC販売用の商品を作る手間もかかるため簡単ではないでしょう。

まとめ

ライバルとなる競合他社が多いことで知られる飲食店は、集客方法にもさまざまな工夫が必要とされます。売上アップにつながる集客を成功させるためには、他店と差別化できるコンセプトを明確にすることが大切です。来店してもらうターゲットを分析し、最適な集客方法を実践することで集客力アップが期待できるでしょう。

スマートフォンやPCが普及している現代では、飲食業界においてもデジタル集客が欠かせないツールとなっています。一方で、アナログ集客も一定の効果が期待できます。

それぞれの集客方法の特徴を踏まえた上でうまく組み合わせて活用し「新規顧客獲得」→「顧客満足度を上げる」→「顧客情報の入手」→「リピーター獲得」という流れを作ることで、自然に集客アップの好循環が生まれるはずです。

お店の業態や客層、出店エリアなどによって効果的な集客方法は違うため、さまざまな集客方法を使い分けることを心がけましょう。

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