ホテル・旅館の集客力を上げるアイデア10選！SNSを活用した成功事例も紹介

近年、ホテル業界を取り巻く環境は大きく変化しているため、従来の集客方法だけでは競争に勝ち残ることは極めて困難です。また、インターネットの普及により、宿泊先選びの基準も多様化しているため、ホテルの魅力を的確に伝え、予約につなげる新たな手法が求められます。

そこで本記事では、ホテルの集客力を上げるアイデアとして、現代のホテル集客に欠かせないマーケティング戦略を徹底的に解説します。ホテルの集客方法で悩んでいるホテル経営者や関係者の方は、ぜひ参考にしてください。

本記事を執筆しているクーミル株式会社は、ホテルや旅館のホームページのリブランディングから集客支援まで数多く対応しております。写真の見せ方一つでホテルの魅力を高めることに繋がります。
SEOやホームページのリニューアルなどのご相談がございましたらご連絡くださいませ。

現代のホテルの集客方法について

現代のホテル業界では、自社のWebサイトやSNSを積極的に活用し、潜在的な宿泊客へ直接アプローチする集客方法が主流です。以前は、旅行雑誌や旅行サイトへの掲載が中心でしたが、今はホテル自らが情報発信の主体となっています。

具体的な方法は、魅力的なホテルの写真や動画を駆使し、施設の特徴やサービスをわかりやすく伝えるWebサイトの運営です。また、FacebookやInstagramなどのSNSを通じて、ホテルの日常やイベント情報を発信し、フォロワーとの交流を深めることで、ホテルへの関心や愛着を高めていきます。

さらに、予約サイトやクーポンサイトとの連携、メールマガジンの配信など、多様なチャネルを通じて見込み客との接点を増やすことが重要です。顧客のニーズや嗜好に合わせたターゲティング広告を展開することで、効果的な集客が可能となるでしょう。

ホテルや旅館を目的に旅行する人も増えている

以前までは、「北海道に行きたい」など別の目的があるからホテルを利用する方が大半でしたが、近年ではホテルステイと言葉が生まれたように、「ホテルで旅館でゆっくりしたい」ニーズが増えてきています。

ただ泊まるだけではなく、他の付加価値をつける必要がより一層求められてきています。

これらはあくまで一例です。競合他社を分析してどういうニーズがあるか分析した上で、そのニーズに応じた施策を行う必要があります。

ホテルの集客で重要な5つのポイント

集客といってもさまざまな手法があるため、どこに力を入れるべきか悩むこともあるでしょう。ここでは、ホテルの集客で特に重要な5つのポイントに絞って解説します。

1.顧客ターゲットを明確にする

ホテルの集客では、ホテルのコンセプトに合わせて顧客ターゲットを明確にすることが重要です。ターゲットを絞ることで、その層に直接響く訴求が可能となり、集客対策が立てやすくなります。曖昧なコンセプトでは、明確なターゲティングができないため、事前にしっかりと定めておきましょう。

ターゲット層を具体的に設定するために、ペルソナを作成します。ペルソナとは、ターゲットとなる顧客像を詳細に描写したものです。以下の項目を詳細に定義することで、ターゲットを絞り込みやすくなります。

1. 年齢
2. 性別
3. 居住地
4. 趣味嗜好
5. 家族構成
6. ホテル選びの傾向　など

ただし、ターゲットを広げすぎると、誰にも響かない宣伝になってしまうため、注意が必要です。自社のホテルに最も合ったターゲット層を見極め、集中的にアプローチすることが、効果的な集客につながります。

自社の強みを見出し、他社との差別化ポイントを明確にする

ホテルの集客では、自社の強みを見出し、他社との差別化ポイントを明確にすることが大切です。ホテルの魅力として、温泉や料理、景色、客室などが挙げられますが、自社ならではの特長を把握し、アピールすることが求められます。

例えば、地元の食材を活かした料理や、歴史ある建物を活用した客室など、他のホテルにはない独自の価値を提供できる点を強調するのが効果的でしょう。これにより、潜在的な宿泊客に対して、明確で魅力的なイメージを与えられます。

ただし、差別化ポイントを打ち出す際には、ホテルのコンセプトやターゲット層とのズレがないか確認することが重要です。アピールポイントがコンセプトから外れてしまうと、宣伝の一貫性が失われ、集客につながりにくくなる恐れがあります。

顧客のニーズを理解する

宿泊客の要望や期待を的確に把握することで、サービスの改善や新たな価値の提供につなげられ、集客の向上が期待できます。

顧客ニーズを理解するための効果的な方法の一つが、宿泊客へのアンケート調査です。宿泊の目的や動機、ホテルの良かった点や改善すべき点など、直接的なフィードバックを収集することで、具体的な課題や強みを明らかにできるでしょう。

具体的な改善事例

1. アンケート結果：
   「ビジネス客が多く、快適な作業環境を求めている」
   対策：
   客室内のデスク周りの充実や、ビジネスラウンジの設置などの改善
2. アンケート結果：
   「家族連れが思い出作りを重視している」
   対策：
   家族向けのアクティビティや特別プランの開発に力を入れる

アンケートで得られたデータは、単なる数字の集まりではなく、顧客の生の声を反映した貴重な情報となります。それを適切に分析し、ホテルの運営に反映させることが重要です。

OTA（ホテル予約サイト）を活用した集客に依存しない

ホテルの集客において、OTA（Online Travel Agent）を活用することは重要ですが、それに過度に依存しないことも肝心です。OTAとは、じゃらんや楽天トラベルのように、インターネット上でホテルや旅館の検索・予約ができるサービスを提供する事業者のことを指します。

OTAを利用することで、広範囲のユーザーにアプローチでき、集客や認知度の向上が期待できます。多くの旅行者がOTAを利用しているため、掲載することで新規顧客の獲得につながる可能性が高いでしょう。

しかし、OTAには手数料がかかるため、売上の一部を手数料として支払う必要があります。また、OTAには多数のホテルが掲載されているため、競争が激しく、価格競争に巻き込まれるリスクもあります。

そのため、OTAを活用しつつも、自社のWebサイトでの直接予約の促進や、SNSを活用したプロモーションなど、他の集客チャネルも並行して強化していくことが重要です。

他社の成功事例を参考にする

ホテルの集客を成功させるためには、他社の成功事例を参考にすることが有効です。すでに集客力のある競合他社がいる場合、その戦略や手法を分析し、自社に適用できる部分を取り入れることで、効率的に集客力を高められます。

他社の事例を参考にする際は、以下の点に着目しましょう。

1. どのようなコンテンツや情報を掲載しているのか確認する
2. 予約までの導線がどのように設計されているのかを確認する
3. SNSでの発信内容や頻度、顧客とのコミュニケーションの取り方を分析する
4. そのホテルが提供している価値やターゲットとしている顧客層を把握し、自社との差別化ポイントを明確にする

自社との差別化ポイントを明確にし、ユーザーのニーズを的確に捉えることで、競合他社と直接の競争を避けつつ、効果的な集客を実現しやすくなります。

ただし、他社の成功事例をそのまま真似るのではなく、自社の強みや特色を生かした独自の方法を模索することが大切です。

ホテル・旅館の集客成功事例を紹介

成功事例1：サウザンド京都

1つの旅館・ホテルの集客成功事例は、サウザンド京都です。現在、開業5年目（2024年6月28日時点）でGoogleの口コミ件数が、1000件を超えるほど人気のホテルとなります。

特に注目すべきが、「拡散」を狙った創造アートやプロジェクションマッピングを導入していること。現時点までにインスタグラム上では、「#サウザンド京都」と投稿された件数が2702件ございます。

ホテル側が費用を払い広告せずとも、宿泊者が勝手に拡散してくれる仕組みづくりがされています。

成功ポイント

• SNSで拡散させる仕組みを作り、広告費をかけずに宣伝されるように工夫している
• リピート率を高めるために、季節ごとのイベントを行なっている
• 極上なプランを設け、ここだけでしかできない体験を用意している。

成功事例2：FAV HOTEL

FAV HOTELは、「リーズナブルで、広く、スタイリッシュに」をコンセプトとしたホテルとなります。リーズナブルな宿泊をコンセプトとしているため、ターゲットとなる年齢層は若年層となります。

そのため、ホテルや旅館には珍しくTikTokを運用しており、「フォロワー数：165.5k、最も人気の動画：724.7K」と若者を中心に認知度拡大に成功しています。

シンプルだけど、心地よい空間であることが写真からも伝わるため、多くの方にご利用いただいているホテルとなります。

ホテルの集客力を上げるアイデア10選

ホテルの集客方法は多岐にわたり、限られた予算と人員のなかで、何から手をつけるべきか悩むこともあるでしょう。ここでは、ホテルの集客力を効果的に高めるための具体的なアイデアを紹介します。

1.ホームページの充実

ホテルの集客力を上げるためには、ホームページの充実が欠かせません。ホームページは、潜在的な宿泊客にホテルの魅力を伝える重要な窓口となるからです。ホームページを訪れるユーザーは、ホテルに関するより詳細な情報を求めています。

そのため、以下の点を充実させることが大切です。

1. ホテルの基本情報
2. 客室の詳細
3. 料金プラン
4. 周辺の観光情報
5. 予約フォーム　など

特に、料金表や予約フォームは、ユーザーにとって見やすく、使いやすいものでなければなりません。予約までのステップをシンプルにし、ストレスなく予約できる環境を整えることで、予約率の向上につなげられるでしょう。

また、ホテル内の過ごし方や、周辺の観光スポット、おすすめの飲食店などを紹介するコンテンツを充実させることも効果的です。

ホームページは、OTAやSNSでは伝えきれない、ホテルの個性や強みを表現できる貴重な場です。ユーザーのニーズを捉えた情報を提供し、予約につなげるための工夫を凝らすことが、ホテルの集客力を高めることにつながります。

2.ホームページのSEO対策

ホテルの集客力を上げるためには、ホームページのSEO対策が必要不可欠です。SEOとは、検索エンジン最適化のことで、特定のキーワードで検索した際に、自社のWebサイトが上位に表示されるようにする施策のことを指します。

SEO対策を適切におこなうことで、「ホテル＋地名」といったキーワードで上位表示が期待できます。その結果、宿泊先を探しているユーザーから認知されやすくなるため、集客を実現できる可能性が高まるでしょう。

SEO対策のポイント

SEO対策のコツは、「エリア名 + 施設名」でキーワードを選定することです。例えば、東京都内のホテルであれば、「東京 ホテル 施設名」といったキーワードを設定し、Webサイトの各ページにそのキーワードを自然に盛り込むことが重要です。

SEO対策を怠ると、せっかく魅力的なホームページを作成しても、ユーザーの目に留まる機会を逃してしまいます。ホテルの集客力を高めるためには、SEO対策を適切におこない、検索上位を狙っていくことが求められます。

ホームページのリニューアルからSEO対策まで、クーミルでは一貫して対応可能です。Webからの集客を強化したい際は、ぜひご相談ください。

3.リスティング広告の運用

リスティング広告とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、検索結果ページの上部や下部に表示される広告のことです。リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告だけを表示するため、高い集客効果が期待できます。

具体的なイメージ

例えば、「東京 ホテル」と検索したユーザーに対して、東京のホテルの広告を表示することで、宿泊先を探している潜在的な顧客を効果的に取り込めるでしょう。また、リスティング広告は、すでにホテルを探している関心度の高いユーザーにアプローチできるため、無関係なクリックが発生しにくく、費用対効果が高いという特徴があります。

広告予算を適切に管理することで、効率的な集客が可能です。

リスティング広告を運用する際は、広告コピーやランディングページの最適化が重要です。ユーザーの関心を惹きつけ、クリックから予約へとスムーズに誘導するための工夫が求められます。

4.ディスプレイ広告の運用

ディスプレイ広告とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンの検索結果ページや、提携するWebサイト上に表示されるバナー広告のことです。ディスプレイ広告は、リスティング広告とは異なり、ユーザーが特定のキーワードを検索しなくても、広告を見てもらえます。

そのため、より多くのユーザーにアプローチできる可能性があり、ホテルの認知度向上に効果的といえるでしょう。また、バナー広告には画像や動画を使用できるため、ホテルの魅力を視覚的にアピールしやすいという利点もあります。広告クリエイティブを工夫することで、ユーザーの注目を集め、クリック率の向上につなげられるでしょう。

ディスプレイ広告は、リスティング広告と比べてリーチの広さが特徴ですが、その分コストが高くなる傾向にあります。予算とターゲットを見極めながら、他の施策とのバランスを取って活用することが肝心です。

5.SNSの運用

SNS活用のメリットは、自社の情報を簡単にWeb上に掲載でき、反響を獲得できれば多くの方に拡散してもらえる点です。近年、企業がSNSアカウントを運用することは珍しくなく、集客ツールとして広く活用されています。

ホテル業界においても、SNSは欠かせない情報発信の場となっています。おすすめのSNSは以下のとおりです。

1. X（旧Twitter）
2. Instagram
3. Facebook
4. YouTube

特に、Instagramは写真や動画に特化したSNSで、ホテルの魅力を視覚的に伝えるのに適しています。投稿やストーリーズ、リール動画など、さまざまな形式で情報発信ができるため、効果的な宣伝が可能です。

YouTubeは動画に特化したプラットフォームで、ホテルの施設や客室、サービスなどを細かく紹介できます。動画は画像やテキストでは伝えきれない情報を提供できるため、ユーザーにより深い理解を与えられるでしょう。

6.Googleビジネスプロフィールの登録（MEO対策）

Googleビジネスプロフィールの登録とMEO対策は、ホテルの集客力を高めるための効果的な方法です。Googleビジネスプロフィールとは、Googleマップ上にホテルの情報を無料で掲載できるツールです。

ホテルの基本情報や写真を登録することで、Googleマップでホテルを検索した際に、情報が表示されるようになります。そしてMEOとは、Googleマップの検索結果で上位表示を獲得するための最適化策のことです。

具体的には、以下の取り組みが重要になります。

1. Googleビジネスプロフィールの情報を充実させ、定期的に更新する
2. 宿泊客からの口コミやレビューを積極的に収集し、返信する

スマートフォンの普及により、地図アプリを使って宿泊先を探すユーザーが増えている今、Googleビジネスプロフィールの登録とMEO対策は欠かせない施策といえるでしょう。

7.OTA（ホテル予約サイト）へ登録する

OTAとは、インターネット上で宿泊予約ができるサイトのことで、代表的なものとして、じゃらんや楽天トラベルがあります。OTAは、多くの旅行者が利用するサイトであるため、登録することで自社ホテルの露出度が高まり、予約増加につながる可能性が期待できます。

ただし、OTAには多数の競合ホテルも登録しているため、単に掲載するだけでは埋もれてしまう恐れがあるでしょう。自社ホテルが選ばれるためには、以下の点に注意する必要があります。

注意点

1. 写真や施設情報を充実させ、ホテルの魅力を十分にアピールする
2. 料金プランを多様に用意し、旅行者のニーズに応える
3. 口コミやレビューに積極的に対応し、評価を上げる

また、OTAごとに手数料率が異なるため、自社の利益を考慮しながら、最適なOTAを選ぶことが重要です。

ただし、前述したとおり、OTAへの依存度が高くなりすぎると、手数料負担が重くなる可能性があります。自社サイトでの直接予約の促進など、他の集客方法とのバランスを取ることが大切です。

8.LINE公式アカウントを開設する

LINEは日本で最も利用されているメッセージングアプリで、多くの企業や店舗がビジネスツールとして活用しています。ホテルがLINE公式アカウントを開設することで、以下のようなメリットがあります。

1. 宿泊プランやイベント情報などを配信し、関心のあるユーザーに直接アプローチできる
2. ユーザーからの問い合わせにスムーズに対応できる
3. 予約の受付や変更をLINE上で完結できる
4. AIチャットボットを活用し、24時間自動応答が可能

特に、LINE公式アカウントを活用した予約機能は、ユーザーにとって利便性が高く、予約のハードルを下げられます。また、LINE公式アカウントでは、友だち追加してくれたユーザーに合わせたメッセージの配信が可能です。

例えば、過去に宿泊したことのあるユーザーに向けて、リピーター向けの特別プランを配信するなど、ターゲットを絞ったプロモーションが実現できます。ホテルにとってLINE公式アカウントは、集客力を高め、顧客との関係性を強化するための強力なツールといえるでしょう。

9.キャッシュレス決済を導入する

近年、現金を持ち歩かない方が増え、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス決済の需要が高まっています。キャッシュレス決済を導入するメリットは以下のとおりです。

1. 顧客の利便性が向上し、満足度がアップする
2. 決済の手間やレジでの待ち時間が減り、スムーズな対応が可能になる
3. 現金管理の手間やコストが削減できる

特に、外国人旅行者にとって、クレジットカードや電子マネーは必須の決済手段です。キャッシュレス決済に対応していないホテルは、こうした旅行者を逃してしまう可能性があるでしょう。まだ導入していないホテルは、早急に検討することをおすすめします。

10.面白い企画やイベントを開催する

ユニークで魅力的なイベントは、宿泊客の興味を引き、ホテルの話題性を高められます。例えば、季節や地域の特産品を活かしたグルメイベントや、子供向けのワークショップや体験プログラムなど、さまざまな企画が考えられます。

イベントを開催する際は、ターゲットとなる客層を明確にし、そのニーズに合ったテーマを選ぶことが重要です。また、地域の観光資源や文化と連動させることで、地域全体の魅力を発信できます。

定期的に企画やイベントを開催することで、リピーターの獲得や新規客の開拓につなげられるでしょう。ホテルならではの独自性やエンターテインメント性を打ち出すことが、集客力アップのポイントとなります。

自社に合った方法を取り入れて集客を目指そう

本記事では、ホテルの集客力を上げるアイデア10選として、現代のホテル集客に欠かせないマーケティング戦略について解説しました。

ホテル業界の競争が激化するなか、効果的な集客はホテルの成長に欠かせません。今回紹介した戦略を参考に、自社の強みを生かした集客方法を見出し、お客様に選ばれるホテルを目指しましょう。