税理士事務所として独立開業する方の多くが、税理士法人の勤務経験がある方です。しかし、税理士としての実務経験があっても、自身の税理士事務所を立ち上げて経営するのは全く別物となります。
そのため、独立開業したばかりの税理士の多くは、集客できない悩む方は少なくありません。
また、インターネットが普及し、誰でも簡単にあらゆる情報を入手できるようになった今、税理士の集客方法も従来とは違ったアプローチが必要になっています。
そこで今回は、税理士におすすめの集客方法を厳選して紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 相見積もりサイトで金額勝負で選ばれない税理士事務所様
- 顧客満足度は高いが、新規の問い合わせが月に~5件未満
- 月の新規の問い合わせ件数が増えず、顧問契約数が伸びない士業
集客に関するお悩み
を無料で相談する
Step1
ありがとうございます
弊社にご相談頂きまして
誠にありがとうございます。
クーミル株式会社では、
1つ1つのご相談を真剣に考え、
最適解をご提供出来るよう日々努めております。
可能な限り、即日ご返信を心掛けておりますが、
相談内容や、
営業日の関係で少々、
お待たせさせてしまうかも知れません…。
目次
- 税理士の集客が難しくなっている背景と課題
- 税理士の競争環境が変化している
- 会計ソフト・クラウドの普及で「簡単な仕事」が減っている
- 紹介頼み・相見積もりサイト頼みの限界
- 集客ができない税理士事務所の特徴
- 税理士が集客方法を選ぶ前に整理すべき3つの軸
- 1.どんな顧客に来てほしいか(ターゲットの明確化)
- 2.何を強みにするか(専門分野・業界特化の設計)
- 3.ビジネスモデル・単価設計
- 開業後の税理士事務所に効果的な集客方法10選
- ホームページ
- ブログ/コラム記事
- 2-3.SNS(YouTube)
- ビジネスプロフィールを登録し、MEO対策を行う
- 紹介
- ポータルサイト・マッチングサイトへの掲載
- リスティング広告などWeb広告
- セミナー
- DM(ダイレクトメール)
- その他の集客方法について
- 開業1〜3年目の税理士が優先すべき集客ロードマップ
- 開業〜6ヶ月|紹介+MEO+ホームページ整備
- 6〜12ヶ月|ホームページSEOとブログ・コラム運用を開始
- 1〜3年目|専門分野の確立と情報発信チャネルの拡張
- 税理士事務所が集客力を高めるために出来ること
- ターゲットの属性に合わせた集客方法を選択
- 顧客の課題やニーズに沿った提案
- 競合調査で集客のヒントを得る
- 競合他社との差別化を図る
- 税理士集客でよくある失敗パターンと改善のヒント
- ターゲットがあいまいで「誰でもOK」になっている
- 価格競争に巻き込まれやすい集客チャネルに依存している
- Web集客が「片手間運用」になっている
- 実績・専門性がホームページに十分に書かれていない
- まとめ
税理士の集客が難しくなっている背景と課題

近年、「思ったより顧問先が増えない」「問い合わせ数が頭打ちになっている」といったご相談を多くいただきます。
一昔前であれば、紹介だけでも安定して顧問先を増やせた税理士事務所も、今では集客の難易度が確実に上がっていると言えます。ここでは、その背景を整理しておきます。
税理士の競争環境が変化している
まず大きな要因の一つが、税理士を取り巻く競争環境の変化です。
- 独立・開業する税理士の増加
- 「税務だけでなく経営全般の相談に乗ってほしい」というニーズの高まり
- 資金調達・補助金・事業承継など、周辺ニーズの専門家も増加
といった事情から、「近くの税理士なら誰でもいい」ではなく、「自分たちに合う税理士を比較して選ぶ」時代になっています。
その結果、口コミや紹介だけでは届かない層にリーチしづらくなっているのです。
会計ソフト・クラウドの普及で「簡単な仕事」が減っている
freeeやマネーフォワードをはじめとしたクラウド会計ソフトの普及により、「記帳・確定申告だけをお願いしたい」という単純な業務のニーズが減少しています。
- 自分で会計ソフトに入力し、そのまま申告まで完了させる個人事業主
- 格安サービスやマッチングサイトを利用して、価格だけで税理士を選ぶ層
このように便利なツールが増えているため、「誰がやっても同じ」と見なされやすい仕事ほど価格競争に巻き込まれやすいのが現状です。
紹介頼み・相見積もりサイト頼みの限界
多くの税理士事務所が、いまだに以下のような集客方法のみで行なっていることが多いです。
- 既存顧問先からの紹介
- 銀行や士業ネットワークからの紹介
- 税理士紹介サイトやポータルサイト
もちろん、これらは今後も重要なチャネルですが、紹介が減れば一気に新規案件が止まってしまうリスクを抱えています。
また、ポータルサイト・相見積もりサイトは「価格比較」の色合いが強く、「とにかく安い税理士」を探すユーザーも一定数存在するため、単価が下がりやすく、疲弊しやすい集客チャネルでもあります。
集客ができない税理士事務所の特徴
念願の税理士事務所を開業したものの、短い期間で事務所をたたんでしまうケースは少なくありません。集客が上手くいかない理由には、主に以下の理由が考えられます。
紹介案件は成約率が高く効率的な集客方法ですが、安定した紹介案件を得るのは難しいのが現実です。既存の案件をこなしつつ、新規顧客を獲得するためには、効果的な集客に取り組む必要があります。
ただ闇雲に集客に取り組むのではなく、問い合わせにつながるよう集客導線を設計し、ターゲットに合わせた適切なアプローチをする必要があります。
集客が出来ていない税理士事務所様の特徴
弊社(クーミル)へ税理士事務所様より集客やホームページ制作の相談を非常に多く頂いております。特に集客が出来ないと回答したケースは以下の状態になっていることが多いです。
- ホームページを作ってみたけど、名刺代わりになっているだけ
- ブログを執筆しているが、SEOが全く分からない
- SNSアカウントを始めたが途中で辞めてしまった
紹介案件はいつまで継続するか不透明です。
紹介案件がある状態こそ、別の集客経路を構築するチャンスとなりますので、新規の集客経路を確立しましょう。
電話でお問い合わせ
メールでお問い合わせ
税理士が集客方法を選ぶ前に整理すべき3つの軸
「税理士 集客」と検索すると、さまざまな集客方法が紹介されていますが、すべての事務所に同じ方法が当てはまるわけではありません。
大切なのは、施策の前に「戦略」を決めることです。ここでは、集客方法を選ぶ前に必ず整理しておきたい3つの軸をご紹介します。
1.どんな顧客に来てほしいか(ターゲットの明確化)
最初に整理したいのは、「どんな顧問先・お客様に来てほしいか」というターゲット像です。
- 法人メインなのか、個人事業主メインなのか
- 飲食・美容・建設・IT・医療など、得意な業種はどこか
- 年商規模(例:年商5,000万〜3億、3億〜10億など)
- 長期顧問を増やしたいのか、スポットやコンサル案件を増やしたいのか
ターゲットがあいまいなまま「誰でも対応します」の状態だと、
- ホームページのメッセージも薄くなる
- ブログのテーマもバラバラになる
結果として「自分ごと」と感じてもらえないサイトになってしまいます。まずは「この層の顧問先を増やしたい」というターゲットを明確にしておくことが、集客施策を選ぶ際の前提になります。
2.何を強みにするか(専門分野・業界特化の設計)
次に、自社の強み=専門分野・業界特化のテーマを整理します。
- 相続税・事業承継・資金調達・補助金など、テーマで特化するのか
- 医療・介護・美容・スタートアップ・不動産など、業界で特化するのか
- 「クラウド会計×スタートアップ」など、複数の強みを掛け合わせるのか
「何でもできます」と打ち出すよりも、以下のように特徴を打ち出す方が集客ができます。
「〇〇業界に特化した税理士事務所」
「〇〇に強い税理士が、経営全体をサポート」
上記のように専門性を示した方が、ユーザーからも選ばれやすく、料金面でも納得感を得られやすい傾向にあります。
これまで多くの会計事務所様のWeb集客の支援をしてきたクーミルとしても、テーマや業界を絞ることで、
- 狙うべきキーワード
- ブログ・コラムのテーマ
- 事例ページの構成
が明確になり、Web集客の効果が変わってきます。
3.ビジネスモデル・単価設計
最後に、ビジネスモデルと単価設計を整理しておきましょう。
- 「低単価×多数の顧問先」でいくのか
- 「高単価×少数の顧問先」でいくのか
- 顧問料のレンジ、追加サービスの設計、コンサルティングの有無 など
| ビジネスモデル | 集客方法 |
|---|---|
| 低単価×多数のモデル | ・Webから継続的にリードを獲得する仕組み ・マッチングサイト・広告など量を取りにいく施策 |
| 高単価×少数モデル | ・セミナーや勉強会 ・紹介・パートナーからのリード ・専門性の高いコンテンツ発信 |
このようにビジネスモデルや単価設計によっても対象すべきターゲットを絞ることができます。
この3つの軸(ターゲット/専門分野/ビジネスモデル)が決まっていれば、記事内で紹介する「税理士の集客方法11選」の中から、自社に合った施策を優先順位をつけて選べるようになります。
開業後の税理士事務所に効果的な集客方法10選

税理士事務所の経営において、豊富な税務の知識と優れたサービスは欠かせない条件です。しかし、どんなにすばらしい税理士事務所であっても顧客に認知されていなければ経営は成り立ちません。
開業した後に安定した経営を続けていくためには、いかに集客できるかが重要なポイントです。以下では、税理士におすすめの集客方法について解説します。
| 税理士の集客方法 | 費用感 (外注化する場合) | 集客ができるまでの目安 | 集客の継続性 |
|---|---|---|---|
| ホームページ | 制作費50万円~ | 3~6ヶ月程度 | 高 |
| ブログ/コラム配信(SEO対策) | 月々:10万円~ | 3~6ヶ月程度 | 高 |
| SNS(YouTube) | 月々:10万円~ | 3~6ヶ月程度 | 高 |
| ビジネスプロフィールを登録しMEO対策を行う | 自分でも可能 | 1~2ヶ月程度 | 高 |
| 紹介 | 無料・謝礼金程度 | すぐに結果が出る | 低 |
| ポータルサイト・マッチングサイトへの掲載 | マッチングサイトによって変動 | ~1ヶ月程度 | 高 |
| リスティング広告などWeb広告 | 月々:20万円~ | ~1ヶ月程度 | 低 |
| セミナー | 会場費+宣伝広告費 | ~1ヶ月程度 | 低 |
ホームページ
税理士として独立開業する際は、誰もが名刺を作成するはずです。
自社ホームページはWeb上での名刺とも言え、顧客からの信頼を獲得できます。
ホームページは見やすさはもちろん、ユーザーにとって有益で役立つ情報が掲載されていることが必須です。
- 基本情報(連絡先、営業日、所在地)
- 実績
- サービスページ(助成金申請・補助金対応などあれば)
- 料金ページ
- 対応可能な業務
- 代表者の顔写真・メッセージ
- お客様の声
基本情報はもちろん、今まで培ってきた実績や専門分野及び得意分野の記載、詳細な料金体系、対応可能な業務などもしっかり明記しましょう。
代表者の顔写真やメッセージなどの挨拶文も、ユーザーからの信頼獲得のために有効です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由のユーザーは、既に税理士を探している方の可能性が高いため、成約につながりやすいです。しっかりSEO対策に取り組み、自社ホームページが上位に表示されるように最適化しましょう。
集客に成功している税理士事務所のホームページ事例
- 「補助金に強い/補助金に強い」ことを訴求する
→着手金の数%及び成功報酬10~20%程度の報酬 - 各専門家との連携を訴求する
→会社創業サポートを行い、そのまま顧問契約へ繋げる
└税理士、公認会計士、社労士、行政書士が連携しているなど - 税理士の人柄や想いを全面に押し出す
→些細な税務相談でもいつでも対応可能
ブログ/コラム記事
顧客からの信頼獲得が集客のポイントとなる税理士にとって、ブログは親しみやすさをアピールするのに有効なツールです。
ブログでは、最新の税に関する情報や事業承継に関する情報など、ユーザーにとって有益な情報を発信することで、満足度が上がり集客効果も期待できます。
ブログの投稿数を重ねるとアクセス数が増えやすく、投稿した記事は蓄積されるため、継続した集客を仕組み化できます。また、ブログからホームページの無料相談などに誘導できれば、成約につながる見込み客獲得も可能です。
コラム記事によってSEO対策を行うメリット
- 顕在層のみならず、潜在層へのアプローチが可能
- ホームページへの流入数を増やす事ができ、検索エンジンからの評価が高まる
- コラム記事から顧客育成を行い、問い合わせ件数を増やす事が可能
ポイント
ブログなどは日々の業務内容を配信するのではなく、新規顧客獲得につながるよう、SEO対策すべきキーワードを抜粋して記事を執筆することを心がけましょう。
質の高い記事の書き方についてYouTubeにて解説しておりますのでよければご覧ください。
2-3.SNS(YouTube)
ホームページやブログとあわせて、SNSでも積極的に情報発信していくことで、税理士としての認知度を高められます。SNSのアカウントは誰でも簡単に登録でき、コストをかけずに気軽に情報発信できるのがメリットです。
特に、税理事務所とYouTubeの相性は非常に高く、多くの税理士事務所で高い再生回数を出すことができています。
脱・税理士スガワラくん(登録者数:52.8万人)
税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士(登録者数:38.6万人)
オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する(登録者数:82.6万人)
※本データは2024年4月24日時点に取得したものとなります。
非常に多くのチャンネルで10万人をこえるチャンネル登録者数を獲得しております。
各SNSの特徴について
税理士の集客で、特におすすめのSNSはYouTube・Facebook・X(Twitter)の3つになります。それぞれの特徴は以下の通りです。
| SNS媒体 | 特徴 |
|---|---|
| YouTube | ・最も高い集客力のあるプラットホーム。 ・テキストや画像では伝えられないような情報も、動画なら分かりやすく発信可能。 ・税理士専門のYouTubeチャンネルの需要が非常に高い。 ・顔出しすることでユーザーに安心感を与えられる ・自社ホームページへの誘導ができ、SEO対策にも効果的 |
| ・40代~50代の経営者層の利用者数が多い ・グループ機能を活用することで一定数面識がない方とも繋がることができる。 ・高い実名性でビジネス目的での利用が多い ・Facebook広告の利用でユーザーにアプローチが可能 | |
| X (Twitter) | ・若年層の個人や個人事業主とのつながりができる ・リアルタイムな情報発信ができる ・不特定多数への情報発信が可能で、拡散力が高いユーザーとのコミュニケーションが容易 |
SNSを活用するポイント
- 結果が出るまでに一定期間、継続し続ける必要がある
- こまめな情報配信が非常に大切
- 自社の利益目的ではなく、有益な情報を届けることを第一に考える
- クレーム発生時などは、悪い口コミが拡散される恐れがある
ビジネスプロフィールを登録し、MEO対策を行う
Web集客を安定化させる上で、「税理士、税理士事務所、会計事務所」などのキーワードをGoogleマップで検索したときに、上位に表示されるだけで非常に高い集客力を持つことができます。
そのため、税理士として開業した際は、必ずビジネスプロフィールに登録して、MEO対策を行うようにしましょう。
ビジネスプロフィールへの登録方法は以下の記事にて解説しております。
税理士事務所のMEO対策について
- MEOで上位表示化させたいキーワードを概要や口コミの返信コメントなどで記載する
- 口コミを増やす
- ビジネスプロフィール情報の情報をリッチにする
具体的なやり方について以下のYouTubeでも解説しております。
紹介
税理士事務所におすすめの集客方法の5つ目は、「紹介」です。
税理士事務所に所属していた経歴がある場合は、前職で培った人脈から既存顧客を獲得するのも1つの方法です。
信頼関係を築けている顧客であれば、事務所が変わったとしても依頼したいという方が出てくることでしょう。また、信頼関係が構築している既存顧客であれば、知人や身近な人を紹介してもらうことも可能です。
紹介の場合、一定の信頼関係を構築された状態で商談が進むため、契約率が高く非常に有効な集客方法となります。
ただし、紹介だけでの集客には限界があります。
紹介だけに頼り過ぎることはせず、Webを活用した集客方法などと合わせて取り組みましょう。
知り合いなどからの紹介件数を増やす方法
- 既存の顧客満足度を高め、他人へ進めることができる税理士事務所となる
- 紹介割引制度を設けて、紹介することによるメリットを高める
- ビジネス交流会に参加をし、積極的に交流を行う
- 金融機関や他士業の方からの紹介
- 他の企業と協業を行い、開業支援パックなどで紹介してもらう
ポータルサイト・マッチングサイトへの掲載
税理士事務所におすすめの集客方法の6つ目は、「ポータルサイトへの掲載」です。ポータルサイトは、価格や連絡スピードになってしまう側面はありますが、一定の案件数を獲得することができます。
自社独自の集客経路を確立するまでは、このようなポータルサイトへ掲載し、案件数を増やすことはとても大切です。
また、ポータルサイト上でも、競合他社と自社サービスを比較して、何を強みとして打ち出していくか分析してホームページへ反映させることで、より訴求度が高いHPを構築できます。
税務案件を紹介可能な代表的なポータルサイト
- 税理士ドットコム
- 税理士紹介センター
- 税理士紹介エージェント
- freee税理士検索
ポータルサイトによって、初期費用や成功報酬の有無などに違いがあるため、費用対効果を考え取り組むようにしましょう。
リスティング広告などWeb広告
リスティング広告は「検索連動型広告」ともいわれ、GoogleやYahoo!などの検索サイトで検索をした際に、検索結果の検索結果の上部や下部に表示される広告のことです。
税理士を探しているユーザーへ直接アプローチできるため、効率的な集客方法で即効性も期待できます。キーワードによってターゲットを選別でき、顧客のニーズが幅広い税理士業界では効果的な集客方法と言えるでしょう。
リスティング広告の出稿キーワード具体例
- 地域+税理士
- 相続税+税理士
- 開業+税理士
- 法人手続き やり方
Web広告を行う上での注意点
Web広告は、対象となるターゲットを明確し、そのターゲットに対して訴求性が高いページを構築しないと、広告費ばかり高騰してしまい、費用対効果が合わないことが多いです。
顧問契約を行なっているクライアント様へ、アンケート調査などを行い、自社を選んだ理由などを把握した上で、LP(ランディングページ)を構築することから始める事をお勧めいたします。
セミナー
セミナーは、見込み顧客に直接話を聞いてもらえるのが最大のメリットです。
顧客が税理士を選ぶ際、信頼できる人柄なのかを重要視する方は多いです。直接顔を合わせて話をすることで、税理士の人柄が分かり顧客の安心感にもつながります。
これまで培った税務の知識や実務経験に基づく実力をアピールし、顧客の信頼性を高めましょう。
DM(ダイレクトメール)
税理士の新規顧客開拓の営業手法として定番なのが、新設法人向けに送るダイレクトメールです。
ダイレクトメールの内容は、わかりやすく受取人にとって有益な情報やメリットを提供しましょう。また、制度改正にともなう対応策や企業マネジメントのお役立ち情報などを定期的に送るのも、新規依頼の獲得に有効です。
DMを行う際の注意点
近年は、個人のメールアドレスやSNSのアカウントにダイレクトメールを送る方法もあります。ただし、面識がない相手にデジタル上でダイレクトメールを送る場合、不信に思われたり開封されずに破棄されてしまったりすることも少なくありません。
ダイレクトメールを送りたい相手には、事前にコンタクトをとっておくなど、ある程度の関係性を構築しておくことをおすすめします。
その他の集客方法について
今回紹介した、9つの集客方法以外にも以下のような集客方法もございます。
上記の項目以外にもどんな集客方法があるか知りたい人は参考にしてください。
- 飛び込み営業
- 異業種交流会への参加
- インフルエンサーマーケティング
- ポスティング、地域誌への掲載
電話でお問い合わせ
メールでお問い合わせ
開業1〜3年目の税理士が優先すべき集客ロードマップ
集客方法がたくさんあると、「結局、何から始めればいいのか」が分からなくなりがちです。そこで、開業〜3年目の税理士事務所を想定して、フェーズ別の優先度を整理してみます。
開業〜6ヶ月|紹介+MEO+ホームページ整備
開業直後のフェーズでは、とにかく最初の顧問先を獲得し、事務所の基盤を作ることが最優先です。この段階では、次の3つの施策に力を入れることをおすすめします。
- 既存の人脈・前職のつながり・士業ネットワークからの紹介依頼
- Googleビジネスプロフィールの登録と、口コミ獲得の仕組みづくり(MEO対策)
- 事務所の基本情報・サービス内容・料金・プロフィールを掲載したシンプルなホームページ
このタイミングでは、ブログやコラムを無理に更新するよりも、「信用できる税理士がここにいる」と伝わる最小限の情報発信に集中する方が効果的です。
6〜12ヶ月|ホームページSEOとブログ・コラム運用を開始
顧問先が少しずつ増え、業務も安定してきたら、Webからの新規流入を増やすための準備に入ります。
- ターゲット・専門分野に合わせたキーワード設計
- 「〇〇 業種 税理士」「〇〇 地域 税理士」「〇〇 相続 税理士」など、ロングテールキーワードの洗い出し
- 月2〜4本程度のペースで、よくある質問やお役立ち情報をコラムにしていく
このフェーズでは、いきなり「ビッグワードで1位を狙う」というよりも、「ターゲットが実際に調べそうな具体的なキーワード」で検索される記事を増やしていくことがポイントです。
1〜3年目|専門分野の確立と情報発信チャネルの拡張
開業から1〜3年目になり、顧問先の数や案件の傾向が見えてきたら、いよいよ「専門分野を明確に打ち出すフェーズ」に入ります。
- 得意な業種やテーマ別の事例ページ・お客様の声を充実させる
- 特定テーマに絞ったセミナー・ウェビナーを開催し、名簿を獲得する
- YouTubeやSNSなどで、専門分野に関する情報発信を継続する
複数のチャネルから安定的にお問い合わせが来る「集客の土台」が整ってきます。クーミルとしても、「開業1〜3年目でここまでの状態を作れるかどうか」が、その後の成長スピードを大きく左右すると考えています。
税理士事務所が集客力を高めるために出来ること
税理士に有効な集客方法をお伝えしてきましたが、集客方法を理解するだけでなく、「訴求力」を合わせて強化していく必要があります。
しっかりとした計画を立てずに、ただ集客に取り組むだけでは、期待する結果は得られません。
集客には手間も費用もかかるため、戦略的に取り組むことが得策です。
以下では、税理士が集客に取り組む前に必ず知っておきたいことを解説します。
しっかり理解してから集客に取り組み、集客効果を最大化させましょう。
ターゲットの属性に合わせた集客方法を選択
集客を成功させるためには、単に自社のサービスや価格を追求するだけでなく、顧客へ認知してもらわなければなりません。
開業直後の税理士であれば、不特定多数の人々へ広くアピールするよりも、自社がターゲットとする層を絞り込み訴求する方が効率的です。
それぞれの集客方法の特徴
| 即効性が比較的高い集客方法(一過性) | 安定して集客できる方法 |
|---|---|
| Web広告(リスティング広告、SNS広告) | SEO対策(HP・コラム・ブログ) |
| DM(ダイレクトメッセージ) | Googleマップ(MEO対策) |
| セミナー | YouTube |
| ポスティング・地域情報誌など | X(旧Twitter) |
自社が得意とする分野や強みはもちろん、近隣の地域性や住民の年齢層なども考慮し、ターゲットの属性に合わせた集客方法を選択しましょう。
顧客の課題やニーズに沿った提案
集客を成功させるためには、顧客のニーズを的確に捉え、解決策を提案することが不可欠です。
顧客によって抱えている課題やニーズは異なります。まずは事業内容や経営状況を丁寧に聞き出し、顕在化した課題やニーズを把握します。さらに、顧客の潜在的な課題やニーズまで深堀して提案できることが望ましいです。
自社のサービスを利用することで、顧客が抱えている課題やニーズが解決できるということを訴求しましょう。
競合調査で集客のヒントを得る
「商品」ではなく「サービス」を売る仕事である税理士は、顧客へサービスの価値を訴求しにくいと感じる方も少なくありません。どのような集客をすべきか悩む場合は、競合調査がおすすめです。
ライバルとなる競合がどのような戦略を取っているか把握することで、自社の弱みが見えてくるでしょう。
競合調査では、同じエリアで活動する税理士事務所のホームページやSNSから、料金プランやパッケージ商品の有無などをチェックします。複数の競合他社を調査すれば、集客成功へのヒントが見えてくるはずです。
なお、大手や既に成功を収めている税理士は、集客に使える予算や方法が大きく異なる場合が考えられます。大手などは参考程度にとどめておき、同じレベルの税理士を競合調査する方が参考になるでしょう。
競合他社との差別化を図る
競合調査では、自社の弱みや欠点が分かるだけでなく、自社が持つ強みを見つけることもできます。また、弱みや欠点だと思っていたことが、逆に強みとなるケースもあります。
たとえば、限られた地域でしか対応できない税理士であれば、地域密着型の税理士であることが強みになるでしょう。
ライバルと差別化できる要素を見出し、明確に打ち出すことが大切です。見込み顧客に対して明確な強みをアピールすることは、集客に欠かせないポイントです。
また、ライバルと同じ施策をしても大きな集客は見込めません。一方で、競合他社が行っていない施策に取り組むことで、集客の可能性は高まります。
このように競合調査する中で、顧客が求める施策が少しずつ見えてくるはずです。見込み顧客に向けて、自社が持つ強みをはっきりと打ち出しアピールしましょう。
税理士集客でよくある失敗パターンと改善のヒント
ここでは、実際に多くの税理士事務所を支援してきた中で見えてきた、「税理士の集客」で陥りがちな失敗パターンと、その改善のヒントをまとめます。
ターゲットがあいまいで「誰でもOK」になっている
最も多いのが、「法人も個人も、業種も問わず、誰でもOK」という状態です。一見、間口が広く見えますが、ユーザーからすると
「自分たちに本当に合う税理士なのかが分からない」
と感じてしまい、結果として比較の土台にも乗りづらくなります。
改善のヒント
- まずは「現在の顧問先の中で、理想的なお客様はどのような特徴か」を洗い出す
- 年商レンジ・業種・エリアなどを整理し、「優先して増やしたい顧客像」を言語化する
- ホームページ上でも、そのターゲットに向けたメッセージや事例を前面に出す
ターゲットを絞ることで、「この税理士事務所は自分たちのことを分かってくれていそうだ」という共感が生まれやすくなります。
価格競争に巻き込まれやすい集客チャネルに依存している
紹介サイトや相見積もりサイトなど、「価格を比較されやすいチャネル」に依存しすぎているケースも要注意です。
- どうしても「安さ」や「割引」で選ばれがち
- 成約しても単価が低く、手間と利益が見合わない
- 価格交渉や見積もり作業に時間を取られてしまう
といった状態になりやすく、長期的には事務所の利益率を圧迫してしまいます。
改善のヒント
- 紹介サイトからの案件比率が高すぎないか、一度棚卸しをする
- 単価の高い専門案件や、継続性のある顧問契約を増やすためのチャネル(セミナー・Web・紹介)を伸ばす
- ホームページやコラムで「安さ」ではなく「専門性・サービス内容・サポート体制」をしっかり伝える
Web集客が「片手間運用」になっている
「ブログを始めてみたものの、3記事で止まっている…」「ホームページは作ったが、ここ数年更新していない」というケースも非常に多いです。
- 更新頻度が低すぎて、検索エンジンからもユーザーからも「動いていないサイト」と見なされる
- 情報が古くなり、かえって信頼を下げてしまう
- 社内でも「Webからはあまり来ない」という空気になり、投資が止まる
といった負のスパイラルに陥ってしまいます。
改善のヒント
- 月◯本など、現実的に続けられる更新ペースを決める
- テーマを「よくある質問」「相談事例」などに絞り、書きやすくする
- 自社だけで難しければ、記事制作代行やコンサルティングの活用も検討する
Web集客は「やる・やらない」よりも、「続けられる仕組みを作るかどうか」がポイントです。
実績・専門性がホームページに十分に書かれていない
実際には豊富な実績や専門知識をお持ちでも、ホームページにその内容がほとんど掲載されていない税理士事務所も多く見受けられます。
- 実績:業種・規模・エリアなどの具体例が書かれていない
- 資格・所属団体・受賞歴などがプロフィールに載っていない
- セミナー登壇や執筆実績などが整理されていない
これでは、初めてサイトを訪れたユーザーに、「この税理士にお願いして大丈夫だろうか?」という不安を解消できません。
改善のヒント
- 顧問先の業種・規模を、許される範囲で匿名事例として紹介する
- 得意分野ごとに事例ページやお客様の声をまとめる
- プロフィールページで、経歴・資格・セミナー登壇・メディア掲載などをしっかり整理する
実績や専門性を可視化することで、紹介以外の新規顧客に対しても、信頼して問い合わせてもらえる土台が整います。
まとめ
インターネットの普及にともない、誰でも簡単に情報が入手できるようになったことで、税理士の集客方法も多岐にわたっています。計画も立てずただ単に取り組むのではなく、戦略的に取り組むことが大切です。
自社のターゲットとする層に有効な媒体を選び、効率よく見込み顧客と接触できる集客方法を選ぶ必要があります。さらに、集客効果を最大化するには、顧客のニーズを的確に捉え、解決策を提案することが必要です。競合調査を実施して他社との差別化を図り、ターゲットに向けて、自社が持つ強みをはっきりと打ち出しアピールしましょう。
今回ご紹介した集客方法の知識を使いこなし、ぜひ効果的な集客につなげてください。