インターネットが普及した現代では不動産会社の集客方法も多様化しています。ターゲットとなる顧客や対象物件に合わせて戦略的にアプローチすることが求められています。
競合他社がひしめく不動産業界でお客様から選ばれるためには、今までと同じ戦略や集客方法では難しいのが現実です。
今回は、成約につながる見込み顧客獲得のための効果的な集客方法をご紹介します。また、集客方法のポイントも解説するので参考にしてください。
▼前提
本記事を読んで頂いている不動産関係の方は、賃貸物件と売買物件と全く状況が違うケースも少なくないと想定しております。
そのため、記事内で紹介する集客方法は、賃貸物件を取り扱う不動産会社及び、売買物件を取り扱う不動産会社どちらでも効果が見込める集客方法を解説しております。
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目次
- 不動産でも賃貸物件と売買物件でリード獲得方法が異なる
- 賃貸物件の場合
- 売買物件の場合
- 不動産会社の集客成功事例(支援実績)
- ▼クーミルが行った集客支援について
- 不動産業界の現状:集客の難易度が高まっている
- 日本の経済が縮小傾向である
- インターネット普及による情報過多
- 強者のみが総取りする時代
- 不動産会社におすすめの集客方法
- 1.自社ホームページ
- 2.外人向けのサイトを構築(多言語対応)
- 3.オウンドメディアの構築
- 4.ポータルサイト
- 5.リスティング広告
- 6.一括査定サイト
- 7.SNS
- 8.ポスティング
- 9.ティッシュ配り
- 10.イベント・セミナー
- 11.紹介・口コミ
- 12.テレアポ
- 13.看板
- 集客する上で、成約につながる見込み顧客を獲得するコツ
- オンライン集客とアナログ集客を上手く組み合わせる
- 他社との差別化を意識する
- ターゲットを明確にして分かりやすく紹介する
- まとめ
不動産でも賃貸物件と売買物件でリード獲得方法が異なる
前提として、お客様を集客してリードを獲得する絵で、賃貸物件と売買物件とで、リード獲得の方法が異なる部分があります。
そのため、本記事で紹介している内容を自社で活用する際に、どこに「CV(申込)」を繋げるかによって獲得できる件数が大幅に異なりますので、注意しましょう。
賃貸物件の場合
- メディアサイト・ポータルサイト・SNSから興味を集める
- 物件の空き状況の問い合わせ
- 関連物件の提案
- 内覧
- 契約
契約までの目安期間:数日から1ヶ月程度
上記のような流れが一般的とされます。
顧客育成期間が少なく、割と取引成立までの導線が売買物件と比較すると楽であることが想定されます。
売買物件の場合
- 認知:メディアサイト・ポータルサイト・SNS・チラシなど興味を集める
- 興味関心:ウェビナーやお得なセミナー情報へ繋げるまたはLINEやメルマガ登録
- 比較検討:見込み顧客に対して有益な情報を配信し続け、関係値を構築
- 意思決定:物件情報の共有
- 購入:契約
契約までの目安期間:数ヶ月から数年
上記で見てわかる通り、リード獲得してから契約までの期間が非常に長いのが売買物件の特徴です。そのため、リードを獲得した後の、見込み顧客の興味関心を高める動線設計まで正しく行うことで、大きな取引に繋げることができます。
不動産会社の集客成功事例(支援実績)
本コラムを更新しているクーミル株式会社のクライアント様で、売買物件の問い合わせ件数を毎月1~3件程度から安定して10~25件獲得することに成功した集客成功事例があります。
▼クーミルが行った集客支援について
- オウンドメディアサイト構築
- SEOコンテンツの配信(月5~10件)
- SEOコンサルティング
- CVR改善(問い合わせ件数を増加させるためのサイト改修)
- リード獲得後の動線設計の整備
HPやメディアサイトからウェビナー情報(資産形成セミナーなど)や自社開催セミナーにつながる動線を構築することで、毎月リード件数を数十件獲得することが成功しております。
このように、正しくペルソナに対してアプローチすることで、問い合わせ件数を増やすことも可能となります。
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不動産業界の現状:集客の難易度が高まっている
集客成功事例をお伝えしましたが、不動産業界における集客の難易度は年々高まっています。以下では、不動産会社の集客が難しい理由について解説します。
日本の経済が縮小傾向である
総務省統計局のデータ(令和5年8月1日現在)によると、日本の人口は前年同月比0.43%減少しており、年々減少傾向にあります。
今後、日本の人口減少はさらに加速していくことがデータから予想されています。不動産業界の市場のみならず、日本経済までもが縮小傾向にあるといえるでしょう。
不動産業界では減少していく顧客の奪い合いが激化することが予想されるため、不動産集客は今後ますます厳しくなっていくと見込まれています。
インターネット普及による情報過多
インターネットの普及により、ありとあらゆる情報が誰でも簡単に手に入る時代になりました。
Web上にはさまざまな情報があふれており、今までと同じ方法で情報発信するだけでは他社との差別化は難しくなっています。Web上での情報は顧客の評価や購入判断に影響を及ぼしやすく、今後はさらにその傾向が加速すると予想されます。
不動産会社も時代の変化に合わせた集客方法を積極的に取り入れていくことが必要とされるでしょう。
強者のみが総取りする時代
インターネットの普及と関連しますが、資本力がある不動産会社または、Web集客に力を入れいている会社が市場を総取りしている傾向にあります。
不動産に関連するキーワードをGoogleで検索すると、どのキーワードでもWeb集客に力を入れいている会社ばかり表示されます。そのため、正しくマーケティングをしていかないと、全く集客が出来ずに、赤字になってしまう不動産会社も少なくありません。
不動産会社におすすめの集客方法
成約につながる見込み顧客を獲得するためには、効果的な集客方法を考える必要があります。特に、成約につながりやすいターゲットである30〜40代に情報を効率的に届けるにはオンライン集客が最適です。
さらに、近年はPCよりもスマホから情報を得ている方が多い傾向があります。不動産会社の集客においてもスマホ対応できるかは重要なポイントです。競合他社と差をつけ顧客から選ばれるためにはさまざまな工夫が必要です。
以下では、不動産会社の集客として欠かせないオンライン集客方法をご紹介します。
1.自社ホームページ
デジタル化が進む現代では、自社ホームページは不動産会社の集客に不可欠なツールです。
今や不動産の情報を得るためには、Web上でいくつかの不動産会社を比較検討するのが一般的となっています。自社ホームページがあることで顧客からの信頼度も高まるでしょう。
SEO対策も必須
自社ホームページがあるだけで集客率が上がるわけではありません。
より質の高いホームページを目指しSEO対策する必要があります。検索した際に上位に表示されるようになると、キーワード検索から見込み顧客の流入を増やせるため企業の認知度アップにもつながります。
不動産のホームページにあると良い機能
- 物件の検索機能
- 売買実績
- 施工事例
- 取扱物件の情報
- お客様の声
- 資料請求・問い合わせフォームへの導線
- お役立ち情報
- 会社概要(信頼度向上)
2.外人向けのサイトを構築(多言語対応)
特に注目すべきは、インバウンド需要を獲得することです。
今後の不動産会社の集客戦略として、必要不可欠な要素となってきます。
デジマーケを運営するクーミルでは、シャアハウスのポータルサイトを構築し、運営しておりますが、近年海外からの利用者ニーズが非常に増えてきていることを実感しています。
現在、1ドル150円(2024.03.06時点)と円安相場はまだまだ続くことが推測されます。
これら様々な要素から、日本の不動産を購入したい中国人など海外の方は非常に多くいらっしゃいます。
この層を狙いに行くことも不動産会社の集客として非常に有効です。
自社サイトでは、日本語表記のみならず、海外表記も対応できる状態にすることも非常に大切になってきます。
3.オウンドメディアの構築
安定的な集客を獲得するためには、オウンドメディアによる集客方法も非常に有効です。
「不動産・資産形成」などに関わるキーワードを選定し、記事コンテンツとしてユーザーの役立つ情報を届けるメディアを構築することで、Googleの自然検索から問い合わせを増やすことができます。
オウンドメディアを構築することで、「不動産投資 見極めるポイント」や「不動産投資 やり方」「物件管理会社 おすすめ」などホームページだけでは上位表示できないキーワードにおいてもオウンドメディアでは狙うことが可能です。
本サイトも、オウンドメディアであり、集客方法やWeb制作に関する情報を配信しております。
4.ポータルサイト
ポータルサイトは、不動産の情報を探している方なら必ず一度はチェックすると言ってもいいくらい人気があります。
豊富な物件数と使いやすい操作性がポータルサイトの魅力です。
名の通ったポータルサイトであれば、集客力も高いため一定数のアクセスが見込めるでしょう。
メリット
- 自社の知名度が低くても集客に繫がりやすい
- 非常に多くの層へアプローチ可能
デメリット
- 競合が多く差別化が難しい
- 費用がかかる
料金体系について
ポータルサイトの料金制度は「従量課金制」と「反響課金制」の2つに分かれます。
それぞれのメリットとデメリットは下記の通りです。
従量課金制 | 反響課金制 | |
---|---|---|
メリット | 掲載数によって運用金額を決められるため、運用しやすい | 問い合わせがなければ費用負担が発生しない |
デメリット | 運用金額は問い合わせ数に関係なく発生する | 1つの物件に問い合わせが多いと、契約にならなくても費用がかかる |
代表的なポータルサイト | SUUMO・at home | HOME’S |
5.リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードにあわせて検索結果のトップに表示される広告のことです。
基本的に興味のあるユーザーが広告をクリックするため、見込み顧客の獲得につながりやすいユーザーにアプローチできるというメリットがあります。
ただし不動産業界に関連するキーワードは、契約単価が非常に高いため、広告費を高く設定することが可能です。
そのため、1件の問い合わせ単価(CPA)が高騰しやすく採算が合わなくなってしまうケースも少なくありません。
広告効果を高めるポイント
不動産業界で、リスティング広告を成功させるためには、様々な要素が必要です。
その中でも比較的効果が高い施策を3つほどご紹介します。
- 専用のランディングページ(LP)を作り、訴求性を高める
- 問い合わせのハードルを下げる。(資料請求やLINE登録など)
- 訴求を変えてみる(資産形成セミナー、NISAセミナーなど)
6.一括査定サイト
一括査定サイトとは、不動産を売却したいときに複数の不動産会社に一度に査定依頼できるサービスです。
多くの不動産会社さんが登録しているため、非常にライバルが多い集客方法となります。
メリット
- 反響課金制のため、低コストで集客効果が得られる
- 営業活動をしなくても、案件がもらえる
デメリット
- 価格勝負になりやすい
- スピード勝負になりやすい
- 本当に良いサービスを提供していても、営業力の強い会社に負けてしまう
7.SNS
Web上での集客が一般的となった近年では、Twitter、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokなどを活用して集客する方法が注目を集めています。物件の写真や動画などを投稿して、ユーザーへ視覚的なアプローチが可能です。
拡散効果の高いSNSを上手に活用することで、広告費をかけずより多くのユーザーに周知してもらえます。ただし、SNSは多くの企業が集客ツールとして使用しているため、競合他社とバッティングする可能性も高いです。
また、批判的な意見も拡散してしまう可能性があるため取扱いには細心の注意が必要です。
不動産会社でSNSマーケティングに成功している事例
▼売買物件
▼賃貸物件
- RoomPa(ルムパ)│賃貸物件を一緒に内見♪ 登録者数:18.2万人
- あなたの理想不動産 登録者数31.7万人
※)上記のチャンネル登録者数は、2024.3.7時点でのチャンネル登録者数となります。
Web上で不動産の情報を得るのが一般的となった現代では、オンライン集客は不可欠な集客方法といえるでしょう。
一方で、昔ながらのアナログ集客も一定の反響が得られているのも事実であり、いまだに根強く行われています。以下では、アナログ集客の方法をご紹介します。
8.ポスティング
不動産会社の営業といえば「チラシのポスティング」と言われるほど定番の集客方法です。
特に、地域密着型の不動産会社に向いている集客方法になります。
チラシを配布するエリアや物件を選べるため、ターゲットの絞り込みをしやすいのがメリットです。
印刷費用やポスティングに関わる人件費などのコストや労力がかかるわりに、反響数は厳しいのが現実のようです。
しかし、一定の効果は期待できるため、いまだに多くの会社で行われている集客方法になります。
9.ティッシュ配り
物件の情報が記載された広告が入ったティッシュを、駅前など人通りの多い場所で道行く人々にわたす集客方法です。
ティッシュ自体が目当てで受け取る方も多く、効率の良い集客方法とは言えないでしょう。
エリアを絞って配ることで地域の人々へ周知することはできますが、労力や費用対効果を考えて取り組むことが必要です。
10.イベント・セミナー
相続や資産形成などのイベントやセミナーを開催して、不動産に興味のある人を集める方法も集客には有効です。
基本的にイベントやセミナーへの参加費は無料で行われるため、気軽に参加する方が多いようです。
参加者のほとんどが不動産投資や節税対策などに関心を持つ方であるため成約率は高い傾向にあります。成約につながる見込み顧客開拓の足がかりとして有益な集客方法です。
イベントやセミナーはWeb集客と組み合わせると強い
不動産会社のイベントやセミナーは、Web集客と組み合わせると非常に強い効果を発揮します。
オウンドメディアや各種SNSなどで認知度を獲得→イベント・セミナーの告知
この流れを確立することができれば、強力な集客手法となります。
11.紹介・口コミ
一度購入してもらったお客様からの紹介で集客する方法もあります。
お客様からの口コミによる紹介は非常に成約率が高い集客方法です。
ただし、お客様から知人を紹介してもらうためにはお客様から信頼を獲得する必要があります。物件を売ったらそれでおしまいにはせず、成約後もまめに連絡を取り、紹介特典など積極的な営業活動も必要です。
お客様との信頼関係を構築するには、仕事1つひとつを丁寧かつ誠実に取り組むことが何よりも大切です。
12.テレアポ
テレアポは基本的に相手に嫌がられることが多く、1日に何百件もかけるなど厳しい集客方法といえるでしょう。
しかし、相手の反応がすぐに分かるため効率的に営業できるというメリットもあります。
電話先の相手の雰囲気を確認しながら、興味がありそうな人に絞って何回かにわたって電話すると成約につながる可能性が高まるでしょう。
13.看板
不動産会社に限らず「会社の顔」として不特定多数の人の目に触れるのが看板です。
地域に密着した場所に看板を掲げることで、周辺地域を生活圏とする顧客に周知できます。
設置料金は地域や設置場所によりさまざまです。不動産会社によっては、駐車場の管理を無料で引き受けることで、駐車場に看板を設置させてもらうケースもあるようです。
集客する上で、成約につながる見込み顧客を獲得するコツ
成約につながる見込み顧客を獲得するには、一体どのようなポイントを押さえて集客すればいいのでしょうか?
以下では、成約につながる見込み顧客を獲得するコツについて解説します。
オンライン集客とアナログ集客を上手く組み合わせる
不動産会社の集客を成功させるためには、オンライン集客とアナログ集客を上手く組み合わせ、幅広い視点から顧客にアプローチすることが大切です。
デジタル化が進む現代では、不動産を探すほとんどの人はWeb上から情報を得ています。今や、オンライン集客は不動産集客に欠かせない方法といえるでしょう。あわせて、昔ながらのアナログ集客を行うことでインターネットを利用しない層へのアプローチも欠かせません。
オンライン集客とアナログ集客を上手く組み合わせて集客することが、成約につながる近道といえるでしょう。
他社との差別化を意識する
お客さまから選ばれる不動産会社になるためには、他社との差別化を図ることが大切です。
オンライン集客とアナログ集客を組み合わせて集客に取り組んだとしても、競合他社がすでに行っていることも十分考えられます。同じような手法では、知名度のある大手不動産会社に立ち向かうのは難しいといえるでしょう。
大手不動産会社との差別化を図るには、特定の分野に強みを持つことや専門性を高める必要があります。たとえば、セカンドハウスやリノベーション物件、外国人の方向けの物件などニッチなニーズに特化するのも有効です。あえて人気エリアを避け、特定のニーズに応じて差別化を図ることで特定の人々から選ばれる不動産会社となります。
ターゲットを明確にして分かりやすく紹介する
見込み客を獲得したいのであれば、ターゲットを明確にしておきましょう。狙うターゲット層によって自社ホームページはもちろん、チラシ、SNSなどの発信内容は変わってきます。ターゲットに合わせた広告内容であれば、興味をひき見込み顧客も取り込みやすくなります。
さらに、すべての集客方法において自社のサービス内容を分かりやすく紹介することも大切です。狙うターゲット層に向けて、顧客が必要とする情報を分かりやすく紹介できれば、自ずと反響率は高まります。見込み顧客が自社に足を運ぶきっかけを作ることができ、成約への足がかりになるはずです。
まとめ
インターネットの普及により、ありとあらゆる情報が誰でも簡単に手に入る時代になりました。不動産業界においても、オンライン集客は必要不可欠な集客方法です。一方で、昔ながらのアナログ集客も一定の反響が得られるためいまだ根強く行われています。
成約につながる見込み顧客を獲得するためには、オンライン集客とアナログ集客を上手く組み合わせ、幅広い視点から顧客にアプローチすることが大切です。