Webサイトのアクセス数や集客アップを目指すためには、SEO対策は欠かせない要素と言えます。そのSEOの効果を高めるために使用されるのが、競合サイトのさまざまな情報を収集・分析できる競合分析ツールです。
しかし、競合分析ツールは種類が豊富にあるので、どのツールを使用するべきか悩んでいる方も多いでしょう。さらに、ツールごとに特化されている機能もあるので、調査したい内容に合わせて選ぶ必要があります。
そこで今回は、Webマーケティングに特化した会社も活用するおすすめの競合分析ツールの機能や特徴を詳しく解説します。
競合分析ツールを探している方は、ぜひ参考にしてください。
本記事について
本記事では、サイト分析ツールを特徴別に解説しておりますが、有料の分析ツールは基本的に網羅的に分析できることが多いです。そのため、実際に自社で活用する際は、1~2個の有料ツールを活用するだけで十分賄うことができます。
自社のニーズに応じてツールを活用するようにしましょう。
1.Web会社も活用するオススメの競合分析ツール4選
マーケティング会社では、SEO対策や広告分析などで競合分析ツールを確認しない日はない。と言っても過言ではないほど日常的に活用しています。
実際に現場でWebマーケティング会社にてよく使われるツールを厳選して4つ紹介します。
| 競合分析ツール | 特徴 | 料金 |
|---|---|---|
| ahrefs （エイチレフス） | 基本的な競合分析は全て行う事が可能です。 （アクセス推移、ドメインパワー、被リンク数、参照ドメイン、キーワード順位など） 多くのデジマ領域の会社様が活用している分析ツール | 有料版： ライト：15,000円/月 スタンダード：30,600円/月 アドバンスド：61,500円/月 エンタープライズ：カスタム |
| SEMRUSH （セムラッシュ） | エイチレフス派？セムラッシュ派？など議論されるほど優秀なツール。 特徴的な点は、広告を分析する事ができること。 競合が出稿しているキーワードなど丸裸にできます。 | 月額支払い： Proプラン：$129.95/月 Guruプラン：$249.95/月 Businessプラン：$499.95/月 |
| Screaming Frog （スクリーミングフロッグ） | ダウンロード型の分析ツール URLを入力することで、対象サイトをスクレイピング可能。 競合サイトの内部リンクや外部リンク構造を理解して自社サイトへ反映させるなどSEO対策にも非常に優秀なツール。 | 無料版：500URLまで分析可能 有料版：$259/年 |
| Wayback Machine （ウェイバックマシン） | 全て無料で利用する事ができる破格のツール。 競合のLPやサービスページの過去のデザインを確認して、どのようなCVR改善を行っているか分析可能。 | 無料 |
現場で常に活用されるような競合分析ツールのみ忖度なしでご紹介しております。
こちらに記載している分析ツールを活用することで、競合のアクセス数・タグ設定・被リンク数・内部リンク構造まで確認することが可能です。
これらのツールを網羅的に活用する事ができれば、他のツールは使用しなくても問題ありません。
1-1.ahrefs（エイチレフス）
ahrefsはどのマーケティング会社でも利用しているのでは？と思うほど汎用性が高いツールとなります。
- アクセス分析
- 検索順位変動の追跡
- 検索ボリュームの調査
- 検索難易度の調査
- 関連キーワードの調査
- 被リンクチェック
- リンク切れの確認
- キーワード分析など
このツールを使いこなすだけで、競合分析を網羅的に行うことができます。おそらく多くのマーケティング会社でフル活用されいる分析ツールの一つとなります。
また、競合サイトの被リンクなど丸裸にすることができるため、競合他社との比較が容易で行うことができます。
発信するコンテンツが類似するサイトとオーガニックページ数やトラフィック数の指標で比較する事も可能となります。競合サイトがどんなキーワードでアクセス数を獲得しているか分析をし、自社サイトへ応用することが可能です。
1-2.SEMRUSH（セムラッシュ）
ahrefsと肩を並べるほど活用されるのがSEMRUSHとなります。どちらも利用用途で分けて活用する会社もあるほど汎用性が高いツールとなります。この2社の分析ツールは、どっちが優れた分析ツールかYouTubeなどでも議論されています。
特に強みとしてあるのが、リスティング広告やSNSなど、SEO以外の分析にも活用できることです。弊社では、セムラッシュとエイチレフスを両方活用して、オーガニック検索から広告まで競合分析を行っております。
▼SEMRUSHで確認できること：リスティング広告
▼SEMRUSHで確認できること：SNSアカウント
1-3.Screaming Frog（スクリーミングフロッグ）
Screaming Frogは、指定したサイトのSEO情報を取得することができるWebスクレイピングツールの一つです。上記2つの競合分析ツールとは異なり、ダウンロード型で使用します。
URLを入力するだけでサイトデータを取得することができてしまう超便利ツールです。
料金は無料版と有料版があり、有料版は$259（1年）となります。有料プランを契約することでサーチコンソール、GA4、ahrefsとの連携も可能となります。
無料版でも優秀です。
他の分析ツールにない強みが、内部リンクまで丸裸にすることができることです。そのため、競合のサービスサイトが上位表示化されているときに、どんな内部リンクを設置しているのか分析をして、自社サイトへも応用することができます。
非常に便利なツールとなりますが、残円ながら日本語対応していないため、全て英語表記となります。
1-4.【無料】Wayback Machine（ウェイバックマシン）
Wayback Machine(ウェイバックマシン)は、インターネット上のウェブサイト(Webページ)の履歴を保存し、いつでも過去の状態を見ることができる無料のサービスです。
非営利団体が運営しているため、全て無料で活用する事ができます。
▼ウェイバックマシン活用方法その1
競合他社のサイトデザインの変化などを確認することができます。
そのため、サービスページのデザイン変化を確認することで、「どのようなCVR改善をしてきたか？」分析することが可能です。
これらの情報を基に、自社のサービスサイトへ反映させることで、最適なCVR改善を行う事ができます。
▼ウェイバックマシン活用方法その2
ドメイン取得時の確認にもウェイバックマシンは有効です。特に中古ドメインなどを購入する場合は、対象のドメインがどのようなサイトで活用されていたか確認する事が可能です。
ドメインの中には、スパムやフィッシングサイトとして使われている場合もあるため、使用して問題ないか確認する事ができます。
2.競合分析ツールを導入するメリット
競合分析ツールとは、競合サイトのアクセス数や流入キーワード、被リンク獲得先など、さまざま情報を収集・分析できるツールです。競合分析ツールを導入することで、以下のようなメリットが期待できるでしょう。
競合分析ツールを使うべき理由について以下の動画でも解説しております。
2-1.競合サイトと自社サイトの差分を理解することが出来る
競合分析ツールを導入するメリットの一つは、競合サイトと自社サイトの差分を理解することができます。
- ドメイン年数
- アクセス数
- 被リンク数
- ドメインパワー
- ページ数
これらの情報を、競合サイトと比較することで、自社サイトの立ち位置を明確化することができます。また、自社のページに盛り込まれていない情報が見つかったり、自社サイトが使用していなかった流入ルートを見つけることも可能です。
競合サイトの戦略がわかれば、自社の独自性や強みを際立たせるための戦略が練りやすくなるでしょう。そして、自社の強みをどのようにアピールすれば競合と差別化が図れるかがわかるはずです。
2-2.調査・分析時間を短縮できる
競合分析ツールを使用することで、競合サイトの調査や分析にかかる時間を大幅に短縮できます。
ツールによっては、特定のキーワードや企業名を事前に設定しておくことで、関連するデータを自動的に収集可能です。
さらに、収集したデータをPDF形式などで即座に出力する機能もあるため、データの整理の手間も省けます。
2-3.SEOの新たな戦略を考えられる
競合分析ツールを導入することで、新たなSEO戦略を考えやすくなります。
競合分析ツールでは、競合サイトの流入キーワードや、どのキーワードで上位表示されているかなどの把握が可能です。
これらの情報を基に、新しいキーワード戦略を立案し、自社サイトのSEO戦略の見直しが図りやすくなります。また、自社のマーケティング戦略の結果が伸び悩む場合、競合サイトの成功事例を参考にすることで、より効果的なSEO対策を実現しやすくなるでしょう。
3.競合分析ツールで確認すべき指標
競合分析ツールでは競合サイトのさまざまな情報を調査できますが、どの項目に重点を置くべきかわからない方もいるでしょう。競合分析ツールで確認すべき指標は下記の表の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アクセス数 | ・競合サイトの訪問者数を把握する ・GoogleやYahooなど、どの検索エンジンからの流入が多いか、ユーザーの属性も調査可能 |
| 流入キーワード | ・競合サイトにどのキーワードから訪問者が来ているかを調査する ・自社で狙うべきキーワードの選定に役立つ |
| 獲得キーワード | 競合が獲得している対策キーワードを分析し、自社に活用する。 |
| 被リンク獲得状況 | 獲得すべき被リンクの種類や、どのように獲得すべきかが把握できる |
| コンテンツ | ・文字数や利用キーワードを調査できる ・コンテンツを比較して、不足している情報などを確認する |
| 内部リンク構造 | 上位表示化されているURLの内部リンク構造を確認する。 |
| titleタグ・見出しの内容 | 上位表示されているサイトのtitleタグや見出しを参考にできる |
4.競合分析ツールおすすめ7選（無料・有料）
おすすめの競合分析ツールは、多種多様のツールが流通しております。
上記で紹介した4つ以外にも無料版・有料版と様々ございます。
今回は、以下のカテゴリに分けて紹介します。
- アクセス調査向け
- 被リンク調査
- コンテンツ調査
- titleタグ・見出し調査
- 買い切りで優秀な競合分析ツール（個人の方にもおすすめ）
4-1.アクセス調査に向いている競合分析ツール
アクセス調査に向いている競合分析ツールは以下の2つです。
Dockpit【有料】
| ツール名 | Dockpit（ドックピット） |
|---|---|
| 主な機能 | ・基本指標の確認 ・集客構造の把握 ・ベンチマークサイトを見つける ・流入キーワードの確認 ・人気コンテンツの確認 ・サイトの併用状況の確認 など |
| 料金 | ※）資料請求など問い合わせを行う必要がございます。 |
Dockpitは、国内最大規模250万人のWeb行動ログデータを活用して、競合や市場の分析情報を提供してくれます。競合サイトのURLを入力するだけで、アクセス状況や集客構造など、求めるデータを直感的に把握できます。
Similarweb【有料】
| ツール名 | Similarweb（シミラーウェブ） |
|---|---|
| 主な機能 | ・アクセス数 ・ページ平均滞在時間の確認 ・ページビューの確認 ・直帰率の確認 など |
| 料金 | 無料版：無料 有料版：スターター$208〜 事業規模に応じて料金が変動します。 |
Similarwebは、競合サイトのURLやキーワードを入力するだけで、訪問者数やユーザー属性、セッション数、ページビュー数などの詳細なデータを提供してくれます。
10,000 を超える企業や個人が導入し、活用されています。
4-2.被リンク調査に向いている競合分析ツール
被リンク調査に向いている競合分析ツールは以下の通りです。
Majestic SEO【有料】
| ツール名 | Majestic SEO（マジェスティック） |
|---|---|
| 主な機能 | ・被リンク、被リンク元ドメイン数数の調査 ・被リンクの推移調査 ・被リンクの質の分析 ・被リンク元のドメインパワーやトピックフローなどの調査 ・悪質な被リンクの検出 ・被リンクの流出、獲得状況の分析 など |
| 料金 | LITE（ライト）： $49.99/月額 PRO（プロ）：$99.99/月額 API ：$399.99/月額 |
世界中のSEO担当者から支持されるMajesticは、以下の独自の指標で、被リンクの質と量を詳細に分析できるツールです。
これらの指標を用いることで、単なる被リンク数だけでなく、被リンクの質まで分析してくれます。被リンク分析を徹底的に行いたい方におすすめのツールです。
4-3.コンテンツ調査に向いている競合分析ツール
コンテンツ調査におすすめの競合分析ツールは以下の通りです。
Keywordmap【有料】
| ツール名 | Keywordmap（キーワードマップ） |
|---|---|
| ツール名 | Keywordmap（キーワードマップ） |
| 主な機能 | ・コンテンツの網羅性チェック ・コンテンツの抜け漏れ要素をチェック ・検索上位に表示されるページ構成の分析 ・上位競合ページのコンテンツを分析 など |
| 料金 | ※）詳しくはお問い合わせください。 |
Keywordmapでは、キーワードやコンテンツ、広告クリエイティブにいたるまで、競合サイトのどのような施策が効果的なのかを調査します。競合サイトの成功要因を把握し、最短での成果創出が期待できます。以下の3つのプランがあるのも特徴です。
- ライトプラン：SEO、広告施策いずれかに対応
- スタンダードプラン：SEM領域全般に対応
- エキスパートプラン：Webサイト戦略全般に対応
7日間無料トライアルを実施しているので、コンテンツ調査に特化した競合分析ツールを探している方は、検討してみてください。
4-4.titleタグ・見出し調査に向いている競合分析ツール
titleタグ・見出し調査に向いている競合分析ツールは以下の通りです。
ラッコツールズ【無料】
| ツール名 | ラッコツールズ |
|---|---|
| 主な機能 | ・titleタグと見出しタグ（h1～h6）を自動的に抽出 ・各タグの内容と文字数を表示 ・titleタグと見出しタグに含まれるキーワードを分析 ・タグ内にキーワードが適切に使用されているかどうかを確認 |
| 料金 | 無料版：すべて無料で活用可能 一部有料プランあり ・エントリー：440円/月（年払い）、734円/月（月払い） ・ライト：990円/月（年払い）、1,650円/月（月払い） ・スタンダード：2,475円（年払い）、4,125円/月（月払い） ・プロ：4,950円（年払い）、8,250円/月（月払い） ・エンタープライズ：9,900円（年払い）、16,500円/月（月払い） |
ラッコツールズのtitleタグ・見出し調査は「見出し（hタグ）抽出」という機能を用いて行います。指定したURLのサイトからtitleタグや各種見出しタグ(h1からh6)を抽出し、そのデータをCSVファイルでダウンロードすることも可能です。
ただし、無料版では分析対象URLの上限や、抽出できるキーワード数などに制限があるため、本格的な分析を行う場合は有料版の利用を検討する必要があります。
SEOTOOLS【無料】
| ツール名 | SEOTOOLS（エスイーオーツールズ） |
|---|---|
| 主な機能 | ・キーワードプランナー ・SEOアクセス解析 ・順位チェック ・被リンクチェック |
| 料金 | 無料 |
SEOTOOLSは、無料で利用できるSEO解析ツールです。外部リンク数やインデックス数の状況を確認できるだけでなく、キーワードの出現率やディレクトリに登録済みか否かなど、競合調査に役立つ情報をあらゆる視点から取得できます。
また、強調タグやドメインの取得年月日、総合評価の調査結果に加え、各項目における問題点や改善点などがコメントに表示されるのも特徴です。
4-5.買い切りで優秀な競合分析ツール（個人の方にもおすすめ）
その他おすすめのツールは以下の通りです。
Ubersuggest【有料】
| ツール名 | Ubersuggest（ウーバーサジェスト） |
|---|---|
| 主な機能 | ・ドメインスコアの調査 ・被リンク数の調査 ・上位表示ページの調査 ・SEOキーワード調査 ・サイト監査 ・トラフィック予測 など |
| 料金 | 一部無料で活用可能 ビジネス：4990円/月 or 49,990円（買い切り） パーソナル：2,990円/月 or 39,990円（買い切り） エンタープライズ：9,999円/月 or 99,990円（買い切り） |
Ubersuggestは、調べたいキーワードに関するサジェストキーワードや関連キーワードの情報だけでなく、ドメイン概要でサイトの流入数やリンク数、発信しているコンテンツのランキングなども分析できます。
Ubersuggestは無料でも利用できますが、無料版には以下の制限があります。
- 検索できるキーワードは1日3回まで
- 調査できるドメインやURLは1日3件まで
頻繁に使いたい場合は、有料プランを検討するとよいでしょう。
5.競合分析ツールに関するよくある質問
ここでは、競合分析ツールに関するよくある質問を3つ紹介します。
5-1.競合サイトの見つけ方は？
競合サイトは、Googleなどの検索エンジンを利用して探すとよいでしょう。まずは、自社のターゲットとなるユーザーの検索しそうなキーワードを実際に検索します。
例えば、歯科医院の集客を目的としている場合、「渋谷 歯科医院」「インプラント 渋谷」などのキーワードで上位表示されているサイトが競合サイトの可能性が高いでしょう。
上位10位ほどに表示されるサイトを全て見れば、有力な競合サイトがわかってくるはずです。
5-2.競合分析ツールの無料版と有料版の違いは？
競合分析ツールの無料版と有料版の主な違いは、利用できる機能の範囲や分析の深さなどにあります。無料版では、基本的な機能は利用できるものの、検索回数や追跡できるキーワード数などに制限があることがほとんどです。
一方有料版では、より広範なデータアクセスや高度な分析機能などが提供され、詳細な競合分析が可能です。
5-3.競合分析はどのような流れで行う？
一般的には以下のような流れで行われることが多いでしょう。
- 競合サイトを特定する
- 競合他社の情報（概要、製品・サービスなど）を集める
- 市場調査をする
- 自社の強みと弱みを分析する
- 自社と競合他社の立ち位置を明確にする
今回紹介した競合分析ツールを活用することで、自社のコンテンツの改善点の発見や、より具体的なSEO施策の立案に繋がりやすくなるはずです。
6.まとめ
今回は、競合分析ツールについて解説しました。自社サイトのSEO効果を高めるためには、競合サイトの分析は欠かせません。その手助けとなるのが、競合分析ツールの活用です。
競合分析ツールを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 競合と差別化を図りやすくなる
- 調査・分析時間を短縮できる
- SEOの新たな戦略を考えられる
ただし、一口に競合分析と言っても分析する内容は多岐にわたるので、調査したい内容に合わせてツールを選びましょう。
今回紹介した内容を参考に、競合分析ツールの導入を検討してみてください。
