オウンドメディアを活用したブランディング戦略とは？成功企業も紹介

企業のブランディング方法は、年々多様化しており、YouTube/InstagramなどのSNSを活用したブランディング、サービスサイトを活用したブランディング手法など企業によって戦略は様々です。

実は、オウンドメディアを活用することで、自社ブランディングに成功している企業は少なくありません。本記事では、オウンドメディアによるブランディング戦略について解説します。

オウンドメディアの役割について

オウンドメディアとは、企業が主体的に管理し、情報を発信するメディアの総称です。

一般的には、自社ブログや情報サイト、ニュースページなどを指すことが一般的とされます。

オウンドメディアは、独自のプラットフォームで発信内容を管理しやすい一方で、継続的な運営や更新の手間がかかります。インターネットが普及した現在、オウンドメディアを立ち上げて競合他社との差別化や見込み顧客との関係強化を目指す企業が増加しました。

オウンドメディアは、顧客ニーズや市場動向を踏まえて戦略的な運営を行えば、長期的な安定集客とブランド価値の向上につなげやすい媒体といえます。

オウンドメディアでブランディングは可能

オウンドメディアによるブランディングは可能です。オウンドメディアで知名度を高めることで、採用コストの削減・見込み顧客の獲得など成功している企業は少なくありません。

また、オウンドメディア内で良質な記事を公開することで、新規サービス導入に関する比較検討時に、競合他社より優先的に選んでもらえる可能性を高めることが出来ます。

後述にも記載しますが、オウンドメディアによってブランディングすることで以下の恩恵を受けることが出来ます。

オウンドメディアでのブランディングに期待される効果

1. 見込み顧客の獲得
2. 自社やサービスを理解してもらえる
3. 見込み顧客の反応をデータ化できる
4. 検索エンジン対策（SEO対策）ができる

オウンドメディアによるブランディング戦略
成功企業について事例7選

オウンドメディアを活用することで、ブランディングに成功している企業は多く存在します。具体的にどのようにオウンドメディアを活用することで成功しているのか、事例を交えて解説します。

ブランディング戦略成功事例No.1
DSPACE（三菱電機株式会社）

三菱電機株式会社が運営する「DSPACE」は、宇宙開発や天文学に関する最新情報を幅広く提供するオウンドメディアです。宇宙に関する多彩なトピックスを扱い、専門家による連載コラムや特集記事を通じて、一般の読者にも親しみやすく宇宙の魅力を伝えています。

一例を挙げると、ライターの林公代氏による「読む宇宙旅行」や、天文トピックスを紹介する「星空の散歩道」などが連載されています。

DSPACEは、「三菱電機＝宇宙」というブランディングに成功し、宇宙・通信システム事業における取り組みや技術力を効果的に発信しているメディアです。

ブランディング戦略成功事例No.2
ばね探訪（東海バネ工業株式会社）

東海バネ工業株式会社が運営する「ばね探訪」は、同社の製品であるばねが活躍するモノづくりの現場を取材・紹介することを目的としたオウンドメディアです。自社製品の宣伝ではなく、取引先企業のモノづくりの姿勢や取り組みを詳細に紹介することで、顧客との信頼関係を構築しています。 

また、ストーリーテリングの活用も特徴的です。技術的な情報だけでなく、顧客企業の成功事例や人間的なストーリーを伝えることで、読者の共感を得ています。 

さらに、定期的に取材記事を公開し続けることで、継続的な情報発信とブランド価値の向上に努めています。 

ブランディング戦略成功事例No.3
Grimpse（株式会社ビーラボ）

株式会社ビーラボが運営する「Glimpse（グリンプス）」は、生活を豊かにする製品や新しい体験を提供するモノを紹介するオウンドメディアです。同サイトでは、製品レビューや新商品情報、開発者インタビューなど、多彩なコンテンツを通じて、ユーザーに最新の製品情報を提供しています。

Glimpseは自社プロダクトの魅力を効果的に伝えるため導線設計に注力し、ユーザーが記事から製品を購入できるよう工夫しています。

Glimpseは、シンプルで洗練されたサイト設計で製品やコンテンツに自然と目が行きやすく、株式会社ビーラボの認知拡大に大きく貢献しているオウンドメディアです。

ブランディング戦略成功事例No.4
SAMURAI ENGINEER BLOG（株式会社SAMURAI）

「侍エンジニアブログ」は、プログラミング初心者や未経験者に向けて、IT・プログラミングに関する情報を提供してるオウンドメディアです。同ブログでは、プログラミング学習やITキャリアに関する診断コンテンツ、記事や動画による情報発信、卒業生へのインタビューなど、多彩なコンテンツを展開しています。

侍エンジニアブログは、プログラミング学習者にとって有益な情報を提供し、同社のプログラミングスクール「侍エンジニア塾」への集客力を高めています。

また、SEOを意識したコンテンツ構成により、多くの見込み顧客の流入に成功してきました。侍エンジニアブログは、プログラミングを身近に感じさせることに成功しているオウンドメディアです。

ブランディング戦略成功事例No.5
キャリアハック（エン・ジャパン株式会社）

エン・ジャパン株式会社が運営する「キャリアハック」は、就職・転職の枠を超え、キャリア形成に役立つ情報を幅広く集めたオウンドメディアです。求人だけではなく、インタビュー記事やスキルアップのヒントを積極的に発信し、社会人全体の自己成長を後押しする姿勢を見せています。

転職を検討するユーザーの視点を尊重し、ユーザーの声を織り交ぜながら多様なニーズをカバーしています。キャリアハックは、ポジティブなキャリア観を打ち出し、企業ブランドの向上にも大きく貢献しているオウンドメディアです。

ブランディング戦略成功事例No.6
北欧、暮らしの道具店（株式会社クラシコム）

「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するECサイトで、北欧のインテリア雑貨やオリジナル商品を取り扱っています。同サイトは、商品販売だけではなく、日々の暮らしに役立つ読み物や音声コンテンツを提供し、ユーザーに豊かなライフスタイルを提案しています。

ブランディングの特徴として、商品にまつわる背景や作り手の想いを伝えることで、単なるECサイト以上の価値を提供してきました。 

北欧、暮らしの道具店は、単なるECサイトを超えた「ライフカルチャープラットフォーム」として進化し、ユーザーに愛されるブランドを確立しています。

ブランディング戦略成功事例No.7
バーコード講座（株式会社キーエンス）

キーエンス株式会社が提供する「バーコード講座」は、バーコードや2次元コードの基本原理から、各種コードの構成・使用例、読み取り方法、印字方法までを包括的に解説する情報サイトです。この講座では、JANコードやCODE39、QRコード、DataMatrixなど、さまざまなコードの特徴や用途を詳細に説明しています。

また、バーコードリーダの技術や正しい使い方、バーコードプリンタの詳細、2次元コードの読み取り原理など、実践的な情報も豊富に掲載されています。

さらに、バーコードの申請方法や導入手順、印字方法、バーコード検証機の解説など、導入から運用までをサポートしているのが特徴です。バーコード講座は、キーエンスの専門性と技術力を効果的に伝える役割を果たしています。

オウンドメディアでブランディングするメリット

オウンドメディアによるブランディング成功事例を前述しましたが、ブランディングに成功すると、以下の4つのメリットが期待されます。

1.見込み顧客を獲得できる

オウンドメディアで多角的な情報を発信すると、興味を持つユーザーを自サイトへ誘導できます。商品やサービスと直接関連しないテーマの記事でも、ユーザーの潜在的な悩みを解消する情報を掲載すると、新しい接点が生まれます。

CTA（問い合わせや商品購入などの目標とする行動を促進すること）をコンテンツ内に適切に設計すると、ユーザーは商品ページやサービス案内ページにアクセスしやすくなり、オウンドメディアからの購買や問い合わせを実現可能です。

クーミル株式会社（当社）においても、SEO対策やWeb制作に関する情報をオウンドメディアで発信することで、月間30件以上の新規問い合わせを獲得することに成功しております。

オウンドメディアが見込み顧客を獲得できる理由は、読者の問題意識に寄り添った情報を段階的に提供できる点にあります。商品やサービスに興味を持つ前の段階から具体的な比較検討のフェーズまで、一貫してユーザーが求める情報を提示できると、見込み顧客を育成できます。

2.自社やサービスを理解してもらえる

企業の理念や商品開発の背景は、商品やサービスのカタログ情報だけでは伝わりにくいのが現状です。オウンドメディアを使って企業の歴史や開発ストーリー、担当者の想いなどを語ると、ユーザーは企業の理念に共感しやすくなります。

その結果、単なる消費者ではなく、企業を応援するファンへと成長を促進できます。

さらに、オウンドメディア内で商品やサービスの体験談や成功事例も紹介しましょう。体験談や成功事例は、ユーザーが実際に購入したあとの姿をイメージしやすくなり、購入後の満足度向上やリピーター獲得にもつながります。

共感と信頼の積み重ねがブランドロイヤルティ（顧客が特定のブランドに対して抱く愛着や忠誠心など）を形成し、長期的な売上や企業価値の向上へつながります。

3.見込み顧客の反応をデータ化できる

オウンドメディアに複数のコンテンツを配置すると、アクセス数や問い合わせ件数、滞在時間などの指標を集計できます。その結果、読者がどの商品やサービスに関心を持っているかを把握できます。

どの記事が最もアクセスを集め、どのページで離脱が多いかを分析すれば、ユーザーが求める解決策や抱えている課題も明確化できます。こうしたデータをもとに記事や商品ページを更新していくと、ユーザーが求める情報を発信しやすくなり、より多くのアクセスを集めることも可能です。

4.検索エンジン対策ができる

SNSは最新トピックの拡散に強い一方、投稿が時間とともに埋もれやすいのが欠点です。そのため、悩みを抱えたユーザーは特定のキーワードを検索エンジンに入力し、解決策を探す傾向があります。

オウンドメディアは、記事を蓄積し、検索結果から継続的にアクセスを得やすいのが特徴です。検索エンジンで上位表示を目指すSEO対策とも相性が良く、キーワード選定やコンテンツの質を意識すれば、多くの見込み顧客へ効果的にリーチできます。

SNSと異なり、過去の記事が資産として残るため、長期的なブランド認知度やユーザーとの接点維持に貢献するメディア基盤となります。

オウンドメディアの設計と運用方法

オウンドメディアの設計と運用は、以下の手順で行います。

1. ペルソナ（想定読者）を設定する
2. メディアのコンセプトを設計する
3. カスタマージャーニーを設計する
4. 運営方針・ルールを策定する
5. コンテンツを制作する効果を検証する

安定した集客を実現するために重要な設計から効果検証まで、ポイントを解説します。

ペルソナ（想定読者）を設定する

オウンドメディアを立ち上げる際、まず「誰が読むのか」を想定する必要があります。これがペルソナ設定です。ペルソナは年齢や職業、家族構成、抱えている課題、よく使う情報収集手段などを具体的に設定すると効果的です。

例えば、40代女性経営者をペルソナにする場合、忙しい合間でも効率的に情報を得たいと推測できます。ペルソナが明確になれば、コンテンツの方向性や言葉遣い、ボリュームなどを最適化しやすく、ターゲット層に適した記事を設計しやすくなります。

メディアのコンセプトを設計する

ペルソナを設定したら、メディアのコンセプトを決めます。提供する情報や価値を具体的に言語化し、「何を得られるサイトなのか」を明示します。

例えば、経営ノウハウを届けるメディアなら、専門家インタビューやケーススタディなどを中心にコンテンツを作るのが効果的です。

コンセプトが曖昧なままだと、メディアで取り扱う情報の方向性がブレたり、ターゲットに響きにくくなったりするため、明確な軸を持つことが大切です。しっかりとしたコンセプトを掲げると、読者は「自分に必要な情報がここにある」と認識しやすくなり、継続的にサイトを訪問する理由が生まれます。

カスタマージャーニーを設計する

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し、比較検討して購入に至るまでの流れのことです。この過程を段階的に見える化すると、ユーザーがどのタイミングでどんな情報を必要とするかを把握しやすくなります。

一例を挙げると、認知フェーズではSNSや記事広告を活用し、比較フェーズでは事例紹介や料金プランを示すなど、フェーズごとに最適なコンテンツを把握しやすくなります。

カスタマージャーニーを整理すれば、サイト全体の導線設計やコンテンツ配置がスムーズになり、ユーザーが最終的に購買や問い合わせなどのアクションを起こしやすくなるでしょう。

Webサイトを制作する

Webサイトの設計に必要な情報を集めたら、実際にサイト制作に移ります。初めから完璧なWebサイトを作るより、必要最低限の機能で早期に公開し、アクセス解析やユーザーからのフィードバックを見ながら改修するほうが効率的です。

オウンドメディアの立ち上げ初期にユーザーの意見を集められると、ニーズに合ったサイト設計がしやすくなります。オウンドメディアは、スモールスタートで始めて必要に応じて修正をしていきましょう。

運営方針・ルールを策定する

オウンドメディアの公開前に運営方針やルールを決めておくと、運用効率とコンテンツの品質が向上します。具体的には、構成案の作成、執筆、編集、デザイン、公開時のルールと手順、担当者を明確にするのが基本です。

公開ペースやチェック体制、表現に関するガイドライン（主観的表現を控える、他社比較は公平にするなど）も設定します。運用方針やルールがあいまいだと、メディア全体での方向性が揺らぎ、信頼低下の原因になりかねません。

携わるメンバーそれぞれがルールを守りながら運営を続けていくと、読者に信頼されるメディアを確立しやすくなります。

コンテンツを制作する

オウンドメディアを成功させるためには、質の高いコンテンツが必要です。外部ライターを活用する場合でも、自社で構成案を作り、記事の意図や論旨をはっきりさせてから依頼すると目的に沿った記事を作りやすくなります。

キーワード選定、見出し、論理展開などをルール化しておけば、手直しの工数を削減可能です。読者が求める情報をすぐ得られる構成を心がければ、メディア全体での滞在時間やリピート率が上がり、検索エンジンからの評価向上につながります。

参考サイト：コンテンツマーケティングとは？Webマーケとの違いやメリットなどわかりやすく解説

効果を検証する

オウンドメディアの公開後は、アクセス解析ツールで流入経路や検索キーワード、滞在時間などをチェックしましょう。どの記事が読まれ、どのページで離脱が起きているかを把握すると、改善策を立てやすくなります。

また、ヒートマップツールを使うと、読者が記事の部分をよく読み、どこで離脱したのかが可視化され、より詳細な改善箇所を特定できます。

ツールを使った分析に加え、コメント欄やSNSの反応も合わせて検証すると、ユーザーの意見をより反映することが可能です。こうした情報を活かしてPDCAを回すと、より成果の高いオウンドメディアへと成長できます。

オウンドメディアに必要なコンテンツ例

オウンドメディアを効果的に運用するために、以下のようなコンテンツを用意しましょう。

1. SEO記事
   • 特定キーワードで検索上位を狙うための投稿
2. 問題解決記事
   • 商材が抱える課題をどう解消するかを紹介する投稿
3. 比較記事
   • 他社との機能や料金を比較しやすい投稿
4. ホワイトペーパー
   • 商材の概要やデータを整理した資料
5. FAQ
   • 導入前後によくある疑問への回答
6. 導入事例／ユースケース
   • 実際の利用シーンや効果を示す投稿

さまざまなコンテンツで、購買や問い合わせなど、最終的なアクションへつなげるのがポイントです。

オウンドメディアでブランディングする際のポイント

オウンドメディアは、企業イメージや価値観を直接アピールしやすい場です。競合他社との違いを伝え、ユーザーに印象づけるためのブランディングのポイントを解説します。

自社の強みを発信する

自社が持つ独自の技術やサービス、他社にはないノウハウを積極的にアピールすると、読者に「ここでしか得られない価値」が伝わりやすくなります。例えば、特許を取得している特殊技術や、長年かけて培った実績をエピソード化して紹介すると、読者の印象に強く残ります。

さらに、強みを示すだけでなく、課題解決の背景や今後の展望を語ると、ブランディングに奥行きが生まれるのでおすすめです。

自社の得意分野が明確になれば、ユーザーからの信頼が積み重なり、ブランドロイヤルティの向上が期待できます。

自社の理念やビジョンを伝える

企業理念やビジョンは、商品やサービスを超えて企業全体の方向性を示すメッセージになります。オウンドメディアで経営理念やビジョンを語ると、経営者の想いや商品に込めた想いがダイレクトにユーザーに伝わります。

共感するユーザーが増えるとブランドのファン層が広がり、価格競争に巻き込まれにくい関係性へと発展することも十分可能です。自社の理念を打ち出す際には、抽象的な言葉だけで終わらず、事例や具体的な行動指針も提示すると説得力が増します。

企業としての一貫性と、描いている未来をユーザーに示すのがブランディングでは大切です。

ユーザーが使いやすい設計にする

ユーザー体験を考慮したサイト設計は、ブランディングにも影響を与えます。目的の情報を素早く探し出しやすくし、画像の配置や見出しを整えましょう。

さらに、Webサイト全体でデザインの統一感も意識すると、「独自のブランディング」として認識されやすくなります。それに加えて、スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるレスポンシブ対応を進めると、多様な環境でブランドイメージを維持できます。

使いやすさとデザイン性のバランスが優れたサイト設計は、自社の印象を高めるうえで欠かせません。

オウンドメディアでブランディングする際の注意点

オウンドメディアのブランディングを成功させるためには、初期設計だけでなく運営中にも注意点があります。ブランディングを成功させるために見逃せない注意点を3つ紹介します。

リライトで定期的に情報を更新する

オウンドメディアでは、記事を公開後に放置してしまうケースは少なくありません。

しかし、検索エンジンのアルゴリズムは、新しい情報を評価する傾向があります。そのため、記事を公開したら終わりではなく、定期的なリライトや追記を習慣化することが大切です。

特に、商品やサービスの仕様変更、新しい事例の追加、最新の統計データの反映など、タイムリーな更新が読者の満足度に直結します。リライト時には誤字脱字の修正だけではなく、ユーザーの検索意図に合ったキーワード配置や構成の見直しも欠かせません。

定期的に更新履歴を確認し、頻度や優先度に応じて着実にリライトを実施しましょう。

コンテンツに一貫性をもたせる

オウンドメディアは、記事が増えると、扱うテーマやカテゴリーも増えやすくなります。

しかし、コンテンツの軸が定まっていないと、読者がどんな情報を取り扱うメディアなのかわからなくなり、信頼性が揺らいでしまうおそれがあります。コンテンツの一貫性を保つには、メディアのコンセプトやブランドの価値観を常に意識して記事を制作することが大切です。

例えば、経営者向けのオウンドメディアの場合、財務戦略や人材育成などの領域でも、一貫した視点や語り口で情報を提供する姿勢が求められます。主観的な内容ばかり集めず、ユーザーが活用しやすい客観的なデータや具体例を取り入れると、記事に説得力が高まります。

また、記事のタイトルや導入部分にもメディアの方向性が表れるため、書き手全員がルールを共有し、軸がぶれないようにチェック体制を整えましょう。

一貫性が保たれたオウンドメディアは、長期的に見てファンの獲得と自社のブランディングにつながります。

検索キーワードを意識して記事制作する

検索エンジン経由で訪問するユーザーを獲得する場合、適切なキーワード選定が欠かせません。BtoB商材の場合、「導入事例」「費用対効果」「セキュリティ」など、特定の悩みに直結するキーワードを優先するのが効果的です。

選んだキーワードをタイトルや見出し、本文に散りばめて、読者が求める情報や事例を盛り込みましょう。キーワードを意図的に盛り込みすぎると不自然な文章になってしまい、ユーザーの離脱につながりやすいので注意が必要です。

ユーザーが解決策を求めている背景を考慮したうえで、適切な情報を伝える構成を考えましょう。

まとめ

オウンドメディアは、長期にわたって顧客とのつながりを築く重要なプラットフォームです。しかし、オウンドメディアを成功させるためには明確なコンセプト設計やリソース確保、定期的なリライトなどが欠かせません。

ペルソナやコンセプトを明確にし、ルールに基づいてコンテンツに一貫性をもたせながら自社のブランディングを確立しましょう。

ユーザーファーストの姿勢と継続的な改善を意識すると、オウンドメディアが自社のブランディングを担い、広告塔になってくれます。