企業サイトと採用サイトは分けるべき？メリット・デメリットを徹底解説

コーポレートサイトと採用サイトを「分けるべきかどうか」は多くの採用担当者が抱える悩みです。

本記事では、Web制作のプロであるクーミル株式会社が、サイトの構築方法やメリット・デメリット、実際の運用上の注意点までを詳しく解説。採用サイトを検討中の方に最適な構成・運用のヒントをお届けします。

コーポレートサイトと採用サイトの違いとは？

コーポレートサイトと採用サイトを分けるかどうか判断するには、各サイトの目的や掲載情報を理解することが重要です。具体的には以下のような違いがあります。

比較項目	コーポレートサイト	採用サイト
掲載コンテンツ	会社概要 IR情報 事業内容（自社製品・表品情報）	企業理念 募集職種 社員インタビュー 福利厚生等
主なターゲット	顧客、取引先、投資家	学生・転職希望者・求職者
コンテンツの目的	・企業の信頼性の向上 ・リード獲得 ・実績を伝える	・採用情報 ・働く環境 ・カルチャーを伝える

このように、コーポレートサイトは「企業としての顔」を、採用サイトは「働く場所としての魅力」を伝えるという違いがあります。

双方を混在させてしまうと、それぞれの役割が薄れてしまう恐れがあるため、クーミルでは、採用サイトは企業サイトと分けて構築することを推奨しております。

コーポレートサイトと採用サイトを分けるメリットとは？

コーポレートサイトと採用サイトを分けることで期待されるメリットは以下の5つがあります。

1. 採用ブランディングがしやすくなる
2. ターゲットごとに最適化した導線設計が可能
3. 採用特化のSEO・広告戦略が立てやすい
4. 自社らしさを表現した採用サイトを構築可能
5. 採用情報の更新や運用が社内で独立しやすい

1.採用ブランディングがしやすくなる

コーポレートサイトと切り離して採用サイトを構築することで、自社のカルチャーや魅力を最大限に伝えることが可能になります。自由なデザイン設計ができ、求職者に対して強い印象を残すことができます。

また、採用サイトとして独立しているため求職者が応募するために必要な情報を網羅的に掲載することもできます。

1. ブランドカラーやトーンを求職者向けに最適化できる
2. メッセージ性のある構成が可能（例：社員の想いを伝えるストーリー設計）
3. SNSや広告と連携した採用ブランディング展開も容易

2.ターゲットごとに最適化した導線設計が可能

採用サイトを分けることで、求職者向けの情報を分かりやすく整理し、目的のページへスムーズに誘導できます。導線設計が明確になることで、サイト内回遊率や応募率の向上が見込めます。

導線設計のポイント	期待される効果
募集職種別の導線	興味のある職種ごとにページを作成することで、ターゲットごとのアプローチができる。
よくある質問や福利厚生導線	応募前の不安を事前に解消することができ、面接率を高める。
キャリアプランやスキル	キャリア採用率を高めることができ、即戦力を確保できる。
エントリーボタンの視認性	途中離脱を防ぎ、エントリー完了率の向上できる。

3.採用特化のSEO・広告戦略が立てやすい

独立した採用サイトでは、「新卒 採用」「エンジニア 中途 募集」など、採用に特化したキーワードでSEO対策しやすく、Webマーケティングの視点からもおすすめとなります。

特に以下のようなキーワードをSEO対策することで、より見込み度が高い求職者を集めることができます。

1. 職種または業種＋勤務地
2. 職種または業種＋求人
3. 職種または業種＋フレックス
4. 職種または業種＋在宅勤務
5. 専門性の高いスキル＋求人
6. 国家資格＋求人

採用サイトを活用した集客手法ついて以下の記事にて詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

1. SEO：採用キーワードに絞った内部構成・記事設計が可能
2. 広告：採用特化のランディングページと連携しやすい
3. 効果測定：応募者の流入経路や離脱ポイントの分析も容易

4.自社らしさを表現した採用サイトを構築可能

コーポレートサイトと採用サイトを分けるメリットとして、採用サイトで自社らしさを表現できることが挙げられます。

コーポレートサイトはIR情報やサービスのブランディングが中心となるため、信頼性を高めることができるデザインが採用されることが多いです。そのため、採用サイトを分けずに作ってしまうと、採用サイトで自社らしさや社風を表現することが出来ず、ミスマッチが生じる恐れがあります。

一方で企業サイトと採用サイトを分けると、柔らかい雰囲気や社員がイキイキと働いている姿などを写真やデザインで表現することができるため、より自社が欲しい人材へ訴求することが出来ます。

• コーポレートサイトと一緒の場合：
  表現できるデザインに限りがあり、自社らしさを訴求しにくい
• コーポレートサイトと分ける場合：
  社内の雰囲気に合ったデザインでサイトを制作可能

5.採用情報の更新や運用が社内で独立しやすい

コーポレートサイトと分けることで、採用チーム主体でコンテンツの更新や運用が可能になります。特に従業員数が多い企業や、部署が細分化されている企業の場合は高いメリットとなります。

採用担当がリアルタイムでの情報発信や柔軟なキャンペーン展開を提示することができるため、求職者に対する訴求力を高めることが出来ます。

期待されるメリット

1. CMSで採用担当者が直接更新可能に
2. 急な募集情報やイベント情報もすぐに反映
3. 採用チームの裁量で運用PDCAが回しやすい

コーポレートサイトと採用サイトを分けるデメリットとは？

これまでコーポレートサイトと採用サイトを分けるメリットについてお伝えしてきましたが、確認しておくべきデメリットも存在します。分けて運用する場合は、以下の項目に注意しましょう。

1. サイト運用・更新の負担が増える
2. 開発・構築・保守にかかるコストが上がる
3. 社内でのCMS管理・運用体制を整える必要がある
4. 分け方によってはSEO効果が分散する可能性もある

1.サイト運用・更新の負担が増える

2つのサイトを並行して運用することになるため、更新作業が二重になることがあります。クーミルでもクライアント様に運用する上で、ニュースや社員紹介など、両方で共通する情報を扱う際に注意が必要とお伝えしています。

項目	負担内容
コンテンツ更新	同じ情報を2サイトに反映する必要がある
企業情報の更新	組織変更など生じた際に2サイト分の更新作業が必要になる
担当者のリソース	更新・確認作業が倍になる
運用ルールの整備	CMSやガイドラインの統一が必要となる

特に多いのが、企業情報や組織変更が生じた際に、採用サイト側の更新漏れが生じることです。従業員数や売り上げ規模などは、毎年変動する数値となるため、更新漏れがないように注意しましょう。

2.制作・保守・サーバー代にかかるコストが上がる

採用サイトを分ける場合、ドメインやサーバー、デザイン構築などの初期費用が必要になります。また、保守・セキュリティ管理も別途必要になるため、全体コストが上がる傾向にあります。

項目	コスト内容
採用サイト制作費用	デザイン設計、CMS導入、UI設計など
ドメイン費用	独自ドメイン取得・SSL設定
保守費用	サーバー、CMS、セキュリティ対策

3.社内でのCMS管理・運用体制を整える必要がある

サイトを分けることで、CMSが分離する場合は別々の管理フローが必要です。更新担当の割り振りや、ガバナンスの整理が求められ、採用サイト制作後の体制構築も重要なポイントになります。

運用する中で特に意識して欲しいのは以下の項目です。弊社の場合は、Web制作会社の知見も活かして定期的にアドバイスさせていただくことがあります。

1. 管理権限の分離と明確化
2. 社内マニュアル・運用フローの整備
3. 担当不在時の更新フロー確保

4.分け方によってはSEO効果が分散する可能性もある

採用サイトをサブドメインや独立ドメインで構築した場合、SEO評価が分散する恐れがあります。検索順位への影響も考慮し、分け方や内部リンク設計を慎重に行う必要があります。

分け方	おすすめ度合い	SEOへの影響
サブディレクトリ型採用サイト	◎	親ドメインの評価を共有できる
サブドメイン型採用サイト	◎	親ドメインの評価を共有できる
別ドメイン型採用サイト	△	親ドメインの評価を引き継がないため、SEO評価を受けるのに時間がかかる

上記のように、どのURL構造で採用サイトを構築するかによってもSEOの評価が分散するか決まってきます。コーポレートサイトと採用サイトを分ける時には、URL構造にも注意しながら制作するようにしましょう。

コーポレートサイトと採用サイトの分け方とは？

採用サイトを分ける際には、主に以下の3つの構築パターンがあります。それぞれの特性を理解し、自社の状況に最も適した方法を選択することが重要です。

分け方の種類	URL例	特徴
サブディレクトリ型	example.co.jp/recruit	ドメインのSEO評価を共有でき、管理が比較的簡単
サブドメイン型	recruit.example.co.jp	管理とデザインにある程度の自由があり、独立性も確保可能
独立ドメイン型	example-recruit.jp	完全に独立した設計ができ、採用ブランディングに最適

Web制作会社クーミルがおすすめするURL構造

クーミル株式会社では、企業の採用戦略や管理体制に応じて、最適な分け方を提案しています。

• サブドメイン型採用サイト：
  複数の事業を展開している企業におすすめとなります。各企業のブランディングを保ちつつ事業ごとの採用が可能となります。
• サブディレクトリ型採用サイト：
  1つの事業のみを展開している企業や、運営体制が少数精鋭の場合におすすめとなります。

よくある質問

採用サイトはサブディレクトリとサブドメイン、どちらがSEOに有利ですか？

サブドメイン・サブディレクトリにSEO評価の優劣は特にありません。Google社より「両者にSEO上の優劣はない」と発表しているため、自社が運用しやすい分け方で採用サイトを制作するようにしましょう。

中小企業でも採用サイトを分けた方がいいですか？

明確な採用ターゲットがある、もしくは採用に力を入れていきたい場合は、分けることで効果が出やすくなります。

ただし、「更新リソースが限られる」、「採用サイトに使用する予算が割けない」などの場合は、求人広告などに費用を投じた方がメリットが高い場合があります。

分けると管理が複雑になりませんか？

むしろ分けることで、コーポレートサイトと採用サイトの線引きをすることが出来、運用がしやすくなったということも多いです。

採用サイトを分けると、コストはどれくらいかかりますか？

採用サイトを分けること自体に費用は多くのWeb制作会社は無償で対応することが可能です。採用サイトの制作費として、50-200万円程度の費用相場が一般的です。

採用サイトと求人媒体は併用すべきですか？

併用して運用することをお勧めします。

求人媒体から採用サイトへの誘導により、応募者の理解度が深まり、ミスマッチの減少につながります。採用サイトは「企業の想いを伝える場」として活用できます。

まとめ

本記事では、コーポレートサイトと採用サイトとの違いや、その運用体制について解説しました。

採用サイトを分けて構築・運用することは、採用ブランディングや求職者体験の向上に大きく貢献します。一方で、運用体制やコスト、情報の一貫性といった課題も存在するため、自社の採用戦略とリソース状況に応じて最適な構築方法を選ぶことが重要です。

クーミル株式会社では、企業のフェーズや目的に合わせて最適な採用サイト制作・運用をワンストップでご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。