URL変更がSEOに与える悪影響とは？順位評価を落とさないやり方を解説

URLを変えたいけれど、「検索順位が落ちそうで怖い…」と悩んでいませんか？

URLは検索エンジンの評価単位のひとつであり、やり方を間違えるとアクセス減少や404エラーの増加などSEOへの悪影響につながります。

本記事では、URL変更がSEOへ与える影響と、順位を落とさないための具体的な手順・チェックポイントを、実際によくあるシーン別にわかりやすく解説します。

URL変更とは？

URL変更とは、以下のような作業となります。

既存のページのアドレス（例：https://example.com/old-page）
→新しいアドレス（例：https://example.com/new-page）

見た目は「文字の書き換え」に見えますが、検索エンジンから見ればまったく別のページが新しくできたと解釈される可能性が高く、SEO的には慎重な対応が必要です。特に、以下のようなケースでは、単なる表記変更ではなく、検索エンジンが評価してきた「URL単位の蓄積」を動かす行為になります。

SEOへの影響が強いURL変更

1. ディレクトリ構造を変える（/blog/ から /column/ へ変更 など）
2. ページのスラッグを変える（/seo-url/ → /seo-url-change/ など）
3. ドメイン自体を変更する（example.com → example.jp など）

URL変更は、正しく行えば「サイト構造の整理」「ユーザーにとってわかりやすいURL」につながる一方で、やり方を誤ると検索順位やアクセスが大きく落ちるリスクもあります。

そのため、SEOの観点から、事前の設計とリダイレクト処理が必須になります。

URLを変更するシチュエーション

URL変更は、なんとなく気分で行うべきものではありません。多くの場合、以下のような明確な理由があるときに検討します。では具体的にはどのようなシチュエーションにて変更すべきか紹介します。

1.ドメインを変更するとき

1. サービス名や会社名の変更に伴ってドメインを変えたい
2. サイトを国別ドメインやブランド用ドメインに集約したい
3. 旧ドメインがわかりにくく、覚えにくいためブランドに合わせたい

このようにドメインを変更する場合、すべてのURLが新ドメイン側に移行することになります。

検索エンジンから見ると「サイトまるごと引っ越し」なので、301リダイレクトやSearch Consoleのアドレス変更ツールの活用など、特に慎重な設計が必要です。

2.URLを整理するとき

1. カテゴリ構造を見直したい（/blog/seo/ → /column/seo/ など）
2. 過去に場当たり的に作ったURLを、ルールに沿って整理したい
3. パラメータだらけのURLを、シンプルな階層型URLにしたい

長年運用しているサイトほど、URL構造がバラバラになりがちです。

ユーザーにも検索エンジンにもわかりやすい階層に整理し直すことで、内部リンクの整理や、将来的なコンテンツ拡張のしやすさにつながります。ただし、既存のURLが検索上位にいる場合は、影響範囲をよく見極める必要があります。

3.検索エンジンからの再評価を促すとき

1. 過去に作ったが、内容もURLもテーマとズレているページがある
2. キーワードとURLの表記が合っておらず、CTRが上がりにくい
3. カテゴリの見直しによって、よりテーマに沿ったURLにしたい

URL自体にキーワードを含めたり、カテゴリと内容の整合性を高めたりすることで、検索エンジンからの「テーマ理解」を助けることができます。

ただし「URLを変えれば順位が上がる」というわけではなく、コンテンツの質や内部リンクも含めた総合的な改善が前提になります。

4.SEO評価をリセットしたいとき

1. ページの検索順位が全く上がらない
2. 「クロール済み – インデックス未登録」状態であり、検索エンジンから評価されない
3. 「検出済み – インデックス未登録」状態であり、インデックスすらされない

このような状態は、検索エンジンから評価を正しく受けることができておらず、低品質ページとして評価されている可能性があります。そのため、ページの内容を統合・削除等を行いURLを変更することがあります。

URLの変更がもたらすSEO評価への悪影響

URL変更は、やり方を誤るとSEOに悪影響が出やすい作業です。ここでは代表的な原因を4〜5つ取り上げます。

1.URL変更後301リダイレクトを設定しない

最もよくあるのが、旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定しないまま公開してしまうパターンです。この場合、旧URLにアクセスしたユーザーは404ページに飛ばされ、検索エンジンも「このURLはなくなった」と判断します。

1. 過去に獲得した被リンクの評価が途切れる
2. インデックスがリセットされ、順位が大きく落ちる
3. 404ページが増えてサイトの評価が下がる可能性もある

という負の連鎖につながります。

2.リダイレクトチェーン・ループが発生している

301リダイレクトを設定したものの、以下のようなケースが発生している場合、SEOによってマイナス評価を受けることがあります。

1. 旧URL：A → 新URL：B → 別URL：C… と何重にもリダイレクトされる
2. A → B → A のようにループが発生してしまう

といったケースもよくあります。ユーザー体験が悪化するだけでなく、検索エンジンのクローラビリティも落ち、評価の引き継ぎがうまくいかない要因になります。

特に、膨大なインデックス数となるようなポータルサイト・DB型サイトの場合、URL変更時に正しく設定しないことで正しくSEO評価がされないことは少なくありません。

3.内部リンクやサイトマップが旧URLのまま

URLを変更しても、サイト内部のリンクやXMLサイトマップが旧URLのまま残っていると、以下のような状態となります。

1. クローラーが旧URLを巡回し続けてしまう
2. サイト内部で旧URLと新URLが混在し、評価が分散する
3. 検索結果上に旧URLが出続ける

このような事態を防ぐには、内部リンク・サイトマップ・パンくずリスト・構造化データなどをまとめて更新することが重要です。

4.URL変更と同時にコンテンツ内容も大きく変えてしまう

URLを変えるタイミングで、以下の項目を同時に行うと、検索エンジンは「同じページの移転」ではなくまったく別のページと認識する可能性が高まります。

1. タイトルや見出し構成を大きく変更する
2. テキストをほぼ書き換えてしまう
3. 別テーマの記事に差し替えてしまう

結果として、これまでの評価がリセットされ、順位が大きく変動しやすくなるため、URL変更とコンテンツ大改修はできるだけ分けて行うのが無難です。

5.短期間に何度もURL変更を繰り返す

1. スラッグを何度も微調整する
2. カテゴリを頻繁に変更する

など、短期間に何度もURLを変えると、検索エンジンが評価を安定させる前に再び変更が入るため、いつまで経っても順位が落ち着かない状態になりがちです。

URLは「基本的には変えないことを前提に設計する」のがベストです。

SEOを落とさないURL変更の具体的な手順

URL変更は、明確な順番を決めて丁寧に進めることでリスクを最小限に抑えられます。当社においてもクライアントのサイトリニューアルを実施するときには、本記事で紹介するようなフローで進行しています。

1.現状URLと新URLの対応表を作成する

まずは、変更対象となるページの「旧URLと新URLの一覧表」を作成します。

このような情報をスプレッドシートなどで整理しておくと、設定漏れやミスを防ぎやすくなります。特に、被リンクが多いページや、検索流入が多いページには優先度フラグを付けておくと安心です。

2.CMS・サーバー側で新URLを設定する

比較表をもとに、CMS（WordPressなど）やサーバー側の設定で新URLを実際に反映します。

1. スラッグの変更
2. カテゴリ（ディレクトリ）の変更
3. 新ドメインへの移行設定 など

このタイミングではまだ旧URLも生きている状態なので、テスト環境で事前に動作確認できると理想的です。

3.旧URL → 新URLへ301リダイレクトを設定する

新URLの設定が完了したら、旧URLから新URLへ恒久的な転送を示す「301リダイレクト」を設定します。

1. .htaccess（Apache）、nginx設定
2. CMSのリダイレクトプラグイン
3. サーバー管理パネルのリダイレクト機能

環境に応じた方法でOKですが、必ずステータスコードが301になっているかをチェックしましょう。同時に、リダイレクトチェーンやループが発生していないかも確認します。

4.内部リンク・サイトマップ・構造化データを一括で更新する

URL変更と301リダイレクトの設定が終わったら、サイト内部の情報も新URLに合わせて更新します。

1. ナビゲーション・フッター・関連記事などの内部リンク
2. パンくずリスト
3. XMLサイトマップ
4. 構造化データ（BreadcrumbList・Articleなどに含まれるURL）

内部に旧URLが残ったままだと、検索エンジンに混乱を与える原因となるため、「サイトの中で参照されるURLはすべて新URLに統一する」イメージで見直しましょう。

5.Search Consoleへのサイトマップ送信・URL検査を行う

最後に、Search Consoleを使って新URLへのインデックス促進を行います。

1. 新URLを含むXMLサイトマップを再送信する
2. 重要ページについては「URL検査」→「インデックス登録をリクエスト」する
3. ドメイン変更の場合は、アドレス変更ツールの利用も検討

これにより、検索エンジンに「URL構造が変わった」ことをいち早く認識してもらい、評価の引き継ぎをスムーズに進めることができます。

正しくリダイレクト処理されているか確認ポイント

URL変更後は、「きちんと評価が新URLに引き継がれているか」をチェックすることが重要です。主な確認ポイントは以下の通りです。

1. ステータスコードの確認
   • 旧URLにアクセスしたときに「301」で新URLへ転送されているか
   • 新URLが「200」で正常に表示されているか
   • ブラウザのデベロッパーツールやHTTPステータスチェックツールで確認
2. Search Consoleでの確認
   • 「カバレッジ」でエラーや警告が増えていないか
   • 新URLがインデックス登録されているか
   • 旧URLが徐々に検索結果から減り、新URLに置き換わっているか
3. 検索パフォーマンスの推移
   • 旧URLと新URLのクリック数・表示回数の推移
   • クエリ単位で、URLだけが切り替わっているか
   • 大きく落ち込んでいるページがあれば、リダイレクトや内部リンクを再確認
4. アクセス解析（GA4など）での確認
   • ランディングページとして新URLにアクセスが集まっているか
   • 404ページへの流入が増えていないか

これらを1〜3ヶ月ほどモニタリングしながら、問題があれば早めに設定を見直すことが大切です。

実際によくあるシーン別・SEOを意識したURL変更の考え方

ここからは、現場でよくあるシーンごとに、SEOを意識したURL変更のポイントを解説します。

HTTP→HTTPS（常時SSL化）のときのURL変更

常時SSL化では、URLの先頭が「http://」から「https://」に変わります。
このときは、全ページが対象となる大規模なURL変更になります。

1. サーバー側でSSL証明書を設定
2. http から https へ 301リダイレクトを一括設定
3. 内部リンクやサイトマップを https に統一
4. Search Consoleでhttpsプロパティを追加して管理する

GoogleもHTTPSをランキング要因の一つとして公表しているため、適切に移行できればプラスの効果を期待できるケースも多いです。

サブディレクトリ・サブドメインの切り替え時の注意点

• blog.example.com → example.com/blog/
• service.example.com → example.com/service/

サブドメインとサブディレクトリでは、検索エンジン上の扱いが変わることがあります。一般的には、ドメインを集約したい場合はサブディレクトリ化することが多いですが、いずれの場合も、技術・運用両面での設計が必要です。

• 旧サブドメインから新ディレクトリへの301リダイレクト
• ディレクトリ構造の一貫性（カテゴリや言語別など）
• Search Consoleでのプロパティ管理の見直し

ブログ記事のスラッグ変更／カテゴリ変更をしたいとき

• /blog/123/ のような数字だけのURLを、/blog/seo-url-change/ のようにわかりやすいスラッグにしたい
• /blog/seo/ から /column/seo/ にカテゴリを移したい

このようなケースでは、対象記事数を絞って段階的に変更するのがおすすめです。

1. まずはアクセスの少ない記事からテスト的に実施
2. 301リダイレクトの効果や順位の推移を確認
3. 問題なければ範囲を広げていく

特に、すでに上位表示している記事は慎重に扱い、URL変更そのものが本当に必要かどうかを事前に見極めましょう。

サイトリニューアルで全体のURL構造を見直すとき

デザインリニューアルやCMSリニューアルに伴って、URL構造を全面的に見直すケースです。この場合は、プロジェクトとしてしっかり設計・管理することが必須になります。

1. 旧サイトの全URL一覧を取得
2. 新サイトの情報設計（サイトマップ）に落とし込む
3. 1対1のマッピング表を作成し、テスト環境でリダイレクトを検証
4. 公開後は数ヶ月単位でSearch Console・GA4の数値をモニタリング

少し手間はかかりますが、丁寧に行うことで、リニューアル後もSEO評価をできるだけ維持したまま移行することが可能になります。

よくある質問

URL変更は検索順位の変動も伴うことが多いため、注意が必要です。以下では、URL変更に関連するよくある質問を明記しております。

URLを変更すると、必ず順位は下がりますか？

必ず下がるとは限りませんが、一時的な変動はほぼ避けられないと考えておくべきです。

適切に301リダイレクトを行い、内部リンクやサイトマップも整えておけば、中長期的には評価が引き継がれるケースが多いです。ただし、URL変更自体に明確なメリットがない場合は、安易に実施しない方が無難です。

301リダイレクトと302リダイレクト、どちらを使うべきですか？

恒久的なURL変更であれば基本は「301リダイレクト」を使います。302リダイレクトは「一時的な転送」を意味するため、検索エンジンが評価を新URLに十分引き継がない可能性があります。

URL変更＝戻す予定がないのであれば、迷わず301を選びましょう。

日本語URLはSEO的に不利ですか？

日本語URLだからといって、単純に「不利」というわけではありません。ただし、

• ブラウザやツール上でエンコードされて長く見えやすい
• コピペや共有をしたときにURLが読みにくくなる場合がある

といったデメリットがあります。
SEO観点では、英数字で意味のわかるスラッグ（seo-url-change など）を使う方が、管理のしやすさ・共有のしやすさの面でおすすめです。

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