採用サイトのコンセプトの作り方・重要性とは？人気企業のコンセプト事例8選

自社の魅力を伝える採用サイトを作りたいけど、「どんな“コンセプト”で作ればいいの？」と悩む採用担当者は少なくありません。

本記事では、実際に反響の大きかった採用サイトのコンセプト事例や、クーミル株式会社が手がけた制作体験をもとに、求職者の心を動かすコンセプトの作り方を徹底解説します。検索キーワード「採用サイト コンセプト」でお困りの方必見です。

「採用サイトのコンセプト」とは？

採用サイトは、通常のコーポレートサイトとは異なり、届けるべきターゲットが求職者となります。そのため、「自社で働く姿」「自社でどんな人に働いて欲しいか？」を深掘りして、コンセプトとして打ち出す必要があります。

採用サイトにおける「コンセプト」の定義

採用サイトにおける「コンセプト」とは、単なるスローガンやキャッチコピーではありません。

コンセプトは、画像や文章のみで収まることはなく、採用サイトの見せ方（色・アニメーション・配置）などすべての要素に影響を与える採用サイトの「軸」となる存在です。

採用サイトの具体例

以下に採用サイトのコンセプト事例を紹介します。以下のような形で、コンセプトを決定するとそれに応じて採用サイトで伝えるべきメッセージが決まっていきます。

コンセプト	概要	適した企業	訴求ポイント	期待できる効果
挑戦を楽しむ、成長を続ける。	チャレンジングな環境での成長意欲を刺激する構成	IT企業 ベンチャー スタートアップ	・裁量 ・スピード ・成長環境	成長志向の若手からの応募増
地域を支える、という誇り。	地元密着企業の安定感と社会性を表現	建設 医療・介護 ローカルサービス業	・地域貢献 ・安定志向 ・長期就業	U・Iターン層からの応募増加
プロとして、とことんこだわる。	専門性や品質へのこだわりを打ち出す	製造業 職人職 研究・技術系	・技術力 ・品質の高さ ・企業の誇り	誠実な技術職希望者の獲得

コンセプトを作る上でのポイント

1. 企業の「らしさ」や価値観を表現する
2. 求職者に“共感”や“理解”を促す
3. 採用ターゲットと自社のマッチ度を高める

採用サイトとコーポレートサイトのコンセプトの違い

比較項目	採用サイトのコンセプト	一般サイトのコンセプト
目的	優秀な人材の獲得・定着	顧客獲得／ブランド認知／商品の販売
ターゲット	求職者（就活生・転職者）	顧客／取引先／パートナー企業
伝えたいこと	企業の価値観・働き方・社風・人材像	商品の魅力／企業のサービス力／信頼性
感情に訴える度合い	高い（共感や入社後のイメージが重要）	中〜高（主に商品・体験価値に対して）
ゴール（CV）	エントリー／説明会参加／面接申込み	問い合わせ／購入／資料請求
構成の中心要素	社員インタビュー／理念／働く環境／一日の流れなど	事業紹介／実績／サービス内容／料金体系など

採用サイトのコンセプトが重要な理由について

採用サイトにコンセプトがないと、メッセージが曖昧になり、どんな人を採用したいのかが伝わにくい状態となります。その結果として、応募の質の低下、入社後のミスマッチが起きやすくなります。

逆に、明確なコンセプトを持つサイトは求職者からの共感を得やすく、「この会社で働きたい！」という感情的な動機形成につながります。具体的な以下のようなメリットがあります。

1. 求職者の共感・納得を得られる
   • 自社の価値観や働く意義を直感的に伝えられる
2. 応募の質が高まる
   • ターゲット像が明確になるため、ミスマッチの少ない応募者が集まる
3. 採用ブランディングができる
   • 業界内での差別化が進み、企業イメージの向上にもつながる

1. 求職者の「共感と納得」を得られる

採用市場では、「給与」や「福利厚生」だけで会社を選ぶ時代は終わりつつあります。求職者の中でもとくに若年層は「自分に合うかどうか」「共感できる価値観かどうか」を重視する傾向にあります。

クーミルでは採用サイトのコンセプトを作るときに、以下のようなポイントを意識しております。

1. この会社の“考え方”が客観的に見て伝わっているか。
2. 採用サイトを見て、どんなキャリア形成ができるかイメージできるか。
3. 採用サイトにおいて欲しい人材像が伝わっているか。

これらを意識することで、自社に共感・納得した求職者を集めることができます。

2. ミスマッチを防ぎ、離職率を下げるため

採用は「採ること」がゴールではなく、「活躍してもらうこと」が目的です。コンセプトがない採用サイトでは、誰でも応募しやすいが、入社後に“こんなはずじゃなかった”とギャップが生まれやすいのが現実です。

逆に、企業文化や求める人物像がコンセプトとして明示されていれば、応募段階で“自分ごと”として判断ができます。

コンセプトを設けるメリット

1. 会社の考え方を理解できる（理念・働き方・評価軸など）
2. 人間関係やチーム体制が分かる（個人主義か、協調重視か）
3. どんな人が活躍しているかのモデル像がイメージできる

こうした情報が選考前に“伝わる”状態であることで、採用の歩留まりが劇的に改善します。

クーミルの視点
採用サイトのコンセプトは“企業の想いを伝える”仕事

クーミルでは、採用コンセプトの設計を「企業の思いを、求職者に伝わる形で言葉そして画像やWebデザイン」で表現するものであると定義しています。そのため、採用サイトを制作するときには以下のことにも注力しております。

1. 価値観を言語化するすり合わせ作業
2. 求職者のペルソナ分析に基づいたメッセージ設計
3. デザイン・構成・導線すべてを一貫して設計

「なんとなく良さそう」ではなく、ここにしかない理由が伝わる採用サイトの制作が、私たちの強みです。

人気企業の採用サイト-コンセプト参考事例8選

求職者にも人気である有名企業の採用サイトのコンセプトを8社ほど参考事例として紹介します。ぜひ自社の採用サイトを作る際に参考にしてください。

キャッチコピーについてお悩みの方は以下の記事にて詳しく解説しています。

1.株式会社ココナラ
一人でも多くの人に自らが望む人生のストーリーを

株式会社ココナラの採用コンセプトは、「一人ひとりの人生に寄り添い、自己実現を支える」という理念に基づいています。スキルマーケットという事業の本質と、社内文化が強く連動しているのが特徴です。

コンセプトの特徴

• “自分らしく働く”を大切に：
  多様性を尊重し、画一的なキャリアではなく、それぞれの成長を支援
• ユーザー視点と共鳴：
  スキルを活かす個人を支えるサービスと、社員の働き方が一致
• Mission Drivenな文化：
  事業と自分の仕事が“誰かのストーリーを支えている”という実感が得られる

2.株式会社GA technologies採用サイト
テクノロジー×人間力で未来を起動せよ。

GA technologiesの採用コンセプトは、「テクノロジーと人間力の融合によって、不動産業界に革新を起こす」というミッションに基づいています。業界に変化を起こしたい“挑戦者”を求める姿勢が明確です。

コンセプトの特徴

• テクノロジー＝手段、人間力＝本質：
  AIやDXだけでなく、人の力・想いに重きを置く
• 業界の常識を打ち破る挑戦者歓迎：
  従来型不動産の課題を新しい仕組みで再構築
• キャリア設計の透明性：
  職種・役割・目指せる未来像が明示されており、自分の成長ストーリーが描ける

3.ハウステンボス株式会社-採用サイト
あなたの憧れが叶う街

ハウステンボスの採用サイトは、「非日常の空間で働く」という特別な体験を、“憧れの実現”というキーワードで昇華したコンセプトが特徴です。テーマパークという枠を超え、自己成長と夢の実現を支援する職場として描かれています。

コンセプトの特徴

• 非日常＝日常になる職場：
  観光・エンタメの舞台裏で、感動を生み出す仕事
• 夢をカタチにする力：
  サービス力だけでなく、企画・演出・語学力など多様なスキルを活かせる
• 職種の幅広さと成長機会：
  運営・接客・技術職まで多様なポジションがあり、キャリア形成にも柔軟

4.秋川牧園-採用サイト
まっすぐに、はたらく。

秋川牧園の採用サイトは、「まっすぐに、はたらく。」というコピーの通り、誠実さ・安全・信頼に向き合う姿勢をコンセプトの中心に据えています。食や農業の分野で、“命を育てる”ことの責任とやりがいをまっすぐに伝える構成です。

コンセプトの特徴

• 命と向き合う仕事：
  安全で美味しい食を届けるという使命感を重視
• 現場のリアルを可視化：
  養鶏・酪農・食品加工などの実際の現場を写真や動画で紹介
• 誠実な人が評価される環境：
  経験や派手さよりも、継続力や真面目さが活きる社風

5.奥村組-採用サイト
建築が好きだ。

奥村組の採用サイトは、「建築が好きだ。」というシンプルな言葉に、建設という仕事への誇りと情熱を凝縮したコンセプトが特徴です。現場で活躍する社員の“建築愛”がリアルに伝わってくる構成となっています。

コンセプトの特徴

• “好き”が原動力になる仕事：
  専門性・スケール・社会貢献性を楽しむ姿勢を強調
• 現場の臨場感を重視：
  ドローン映像や施工風景の写真で、迫力と現実感を表現
• 職人から技術者まで活躍：
  設計・施工・土木・建築と多様な職種に対応

6.Port株式会社-採用サイト
FULL OF CHANCE！

Port株式会社の採用サイトは、「FULL OF CHANCE！」というキャッチコピーのもと、**若手にも平等にチャンスが与えられる“成長主義”と“挑戦環境”**を強く打ち出したコンセプトが中心です。年次や肩書に関係なく成果と行動で評価されるカルチャーが魅力です。

コンセプトの特徴

• 20代が主役の組織：
  リーダー・マネージャーも20代が中心。早期活躍を応援
• 新規事業に挑戦できる風土：
  マーケティング・営業・メディア事業など多様な領域でチャレンジ可能
• 社員インタビュー多数：
  リアルな仕事感や成長ストーリーを通じて入社後の自分を想像しやすい構成

7.株式会社樋口商会-採用サイト
描こう。あたらしいヒグチ

樋口商会の採用サイトは、「描こう。あたらしいヒグチ」というフレーズの通り、“変革期にある老舗企業”が若手とともに未来をつくろうとする姿勢を前面に出したコンセプトが特徴です。専門性の高さと挑戦への柔軟さが共存する企業文化を表現しています。

コンセプトの特徴

• 100年企業の革新フェーズ：
  伝統を守りながら、新しい発想や若い力を積極的に歓迎
• 産業・医療・光学分野での技術商社：
  社会インフラを支える仕事のやりがいを訴求
• 若手活躍事例やキャリアモデルを紹介：
  実際の社員の声やキャリアパスが明示され、将来像が描きやすい

8.KKI製造部-採用サイト
スマホからの応募最適化

KKI製造部の採用サイトは、「スマホで見る・スマホで応募」を前提に設計された“モバイルファースト採用サイト”の先進事例です。ユーザー体験（UX）に徹底的にこだわり、スマホ世代の応募者にとってストレスのない導線設計が最大の特徴です。

コンセプトの特徴：

• 縦長1カラム・簡潔UI設計：
  スクロール主体で迷わないレイアウト
• 追従CTA・目次リンク：
  離脱を防ぎ、すぐに応募・情報確認ができる
• 若年層を意識したトンマナとコピー：
  わかりやすく、親しみやすい言葉づかい

採用サイトのコンセプトに関するよくある質問

採用サイトのコンセプトって、企業理念とは違うの？

似ていますが、目的と使い方が異なります。企業理念は経営の価値観や社会的使命を定義したものですが、採用コンセプトは「求職者に向けて企業の魅力や価値観を“伝わる形”で表現したもの」です。

• 企業理念：
  企業の核となる思想（社内・投資家向け）
• 採用サイトのコンセプト：
  求職者に伝えるブランディング軸（社外・求職者向け）

採用サイトのコンセプトはどうやって作ればいいの？

以下の5ステップが基本となります。

1. ターゲット人材の明確化
   誰にに向けての採用か（中途、新卒、キャリアなど）
2. 企業らしさの整理
   └理念・文化・風土・働き方など
3. 強みや魅力の言語化
   └事業・人・成長性など
4. 求職者への約束（メッセージ）に落とし込む
5. サイト全体に一貫して反映する

特に重要なのは「求職者視点」で言葉を選ぶことがポイントとなります。

採用サイトリニューアルのタイミングで、コンセプトも変えるべき？

企業の事業フェーズやターゲット層が変わった場合は、コンセプトの見直しは必須です。クーミルでも採用サイトを構築する際に、コンセプト設計から見直すことが多いです。

コンセプトが曖昧な時のデメリットは？

採用サイトのコンセプトが定まっていない場合、以下のようなケースに陥ることが多いです。

• サイトの情報がバラバラ → 求職者が混乱
• 社員紹介とキャッチコピーがちぐはぐ → 信頼感が落ちる
• 「なんとなく良さそう」で応募 → 入社後のギャップにより早期離職

そのため、採用サイトを作るときには、必ずコンセプトやキャッチコピーを作り込み、その方向性にあった掲載内容を用意することが大切となります。

まとめ

本記事では、採用サイトにおけるコンセプトの重要性と有名企業の事例について紹介しました。採用サイトは、自社に合う人材を集める上で必要不可欠なツールです。

クーミルにおいても採用サイトを作ることを目的にするのではなく、その採用サイトを使って何を実現したいか？を明確にすることが重要と考えています。

もし採用サイトでお悩みなことがあれば、ぜひクーミル株式会社までご相談くださいませ。