Google検索に登場した「AI Overviews」は、従来の青いリンクだけの検索結果から「AIによる要約＋引用サイト」に大きく姿を変えつつあります。
この記事では、AI Overviewsに自社サイトを表示させるための条件から、具体的なコンテンツ設計・技術的対策・今後のSEO戦略までを、実務レベルで分かりやすく解説します。
本記事では、実際に様々なキーワードでAI Overviewsに引用されているクーミル株式会社が具体的に行った施策も交えて解説しております。
クーミルでは、LLMOコンサルティングのみならず、実行支援まで一貫して対応可能です。Web制作会社だからこそAIフレンドリーなサイト構造へ改修することも可能です。
COOMIL（クーミル）株式会社 代表取締役。神奈川県出身。東京薬科大学大学院を修了後、大手製薬会社にて研修開発に従事する。2016年にファングロウス株式会社を創業し、マーケティング、広告運用、YouTube、SEO対策を駆使し、2年で売上1億円強かつ利益率40%強の会社へとグロースさせ、株式譲渡。YouTubeチャンネルのプロデュース・原稿制作・出演・撮影・編集の全てを自ら行い、運営10ヶ月で登録者数1万人突破させる(現在3万人越え)。IT業界だけでなく実店舗経営の知見を活かし、クライアント様の課題の本質を捉えて、「結果が出るマーケティング施策」をご提案致します。サイトを公開後も運用をお任せ頂き、サイトだけでなく「事業規模の拡大を目指す」ことがクーミルのモットーです。
■経歴
2014年 東京薬科大学大学院終了
2014年 第一三共株式会社
2016年 ファングロウス株式会社 創業
2019年 一般社団法人スーパースカルプ発毛協会（FC本部） 理事
2021年 ファングロウス株式会社 株式譲渡
2021年クーミル株式会社 創業
■得意領域
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告
オウンドメディア運用
フランチャイズ加盟店開発、集客
■保有資格
Google アナリティクス認定資格（GAIQ）
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格
■SNS
X（旧Twitter）：https://twitter.com/ryosuke_coomil
YouTube：https://www.youtube.com/@marketing_coomil
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目次
- AI Overviewsに自社サイトを表示させる3つの条件
- 1.対象キーワードで「自然検索の上位（目安：1〜20位）」を確保する
- AIが引用しやすい“質問→即結論”型のコンテンツ構造にする
- 条件③ E-E-A-Tとサイト全体の権威性・信頼性を強化する
- AI Overviewsとは？今から対策すべき理由について
- 1.AI Overviewsの概要について
- 2.AI Overviewsによってゼロクリック率増加している
- 2.どのようなクエリでAI Overviewsが表示されやすいのか
- AI Overviewsへの出現率を高めるキーワード選定
- AI Overviewsが表示されやすい検索クエリの特徴（質問型・比較型・手順型など）
- 「AI Overviews向き」キーワードの洗い出し方
- AI Overviewsに引用されやすいコンテンツ設計のポイント
- 1.「質問に対する一文の答え」を最初に置く“結論ファースト”の書き方
- 2.見出し・箇条書き・表を使ったAIが理解しやすい情報構造
- 3.一次情報・事例・データの活用で独自性を高める
- 4.構造化データをマークアップする
- AI Overviews対策でよくある質問（FAQ）
- Q1：AI Overviewsに表示されるまでにどれくらい時間がかかる？
- Q2：AI Overviewsに表示されても自然検索のCTRは下がらない？
- Q3：中小企業サイトでもAI Overviewsに表示されるチャンスはある？
- Q4：AI Overviewsの内容が事実と違う場合、何か対策はできる？
- Q5：AI Overviews対策と従来のSEO対策、どちらを優先すべき？
- まとめ
AI Overviewsに自社サイトを表示させる3つの条件
AI Overviewsに載せるためには、正しくSEO対策を行うことが重要です。冒頭では、クーミルがAIO（AI Overviews）に引用されるために何を行ったか解説します。
1.対象キーワードで「自然検索の上位（目安：1〜20位）」を確保する
1.対象キーワードで「自然検索の上位（目安：1〜20位）」を確保する
AI Overviewsで引用されるサイトは、基本的に「そのキーワードである程度上にいるページ」です。
- 検索順位1〜20位を目指す
- 検索上位に表示されているサイトに自社が言及される頻度を高める
上記の2点を徹底的に行うことが何より重要です。AIO対策は、自社ページが引用されることはもちろん、他社サイトから推薦されることも、表示させるためには欠かすことができない要素です。
そのため、検索上位表示化されているサイトに自社をどれだけ出現させることができるか外部ブランディングも行うようにしましょう。
優先して対策すべきページの特徴
AIO対策に取り組もうと考えている企業は多いですが、どのキーワードから狙うべきか判断できないケースも多いでしょう。その際は、以下のような基準を設けることで優先的に対策すべきキーワードを選定することができます。
- 自社サイトで検索順位30位以内に入っているキーワード
- ビジネス的にも重要なCVキーワード
- 情報ニーズが強く、AIが要約しやすい「How」「Why」型のクエリ
AIが引用しやすい“質問→即結論”型のコンテンツ構造にする
AI Overviewsは「質問に対して、答えを要約する仕組み」です。AIのロボットがサイトを読み取り、出現させるためには、AIが読み取りやすいサイト構造にすることも非常に重要です。
クーミルでも、AIクローラー及びユーザー目線で、結論ファーストのコラムを執筆することを意識しており、結果としてAI Overviewsへのメンション率が以下のahrefsの画像のように増えています。
AIが理解しやすい構造のポイント
- 冒頭で「質問に対する一文の答え」を提示
- 見出し（H2/H3）に質問文や結論を含める
- 箇条書き・番号リストで手順やポイントを整理
イメージ
H2：「AI Overviewsに表示されるための3つの条件」
AI Overviewsに表示されるための条件は以下の3つです。
- 自然検索での上位表示
- 結論ファーストのコンテンツ構造
- E-E-A-Tを意識した信頼性の担保
このような形で、AIが読み取りやすいコンテンツすることで、検索順位が上昇した時の引用率を高めることができます。
条件③ E-E-A-Tとサイト全体の権威性・信頼性を強化する
本記事を読んでいる人は、これまでAI Overviewsに表示された競合他社などを分析していると思います。分析してみると、DRが高いや業界内での知名度が高いなどの共通点があったはずです。
このようにAI Overviewsで引用されるサイトは、「そのテーマの専門家」や「信頼できる情報源」であることが重要です。
E-E-A-Tの要素（Experience / Expertise / Authoritativeness / Trustworthiness）を意識し、サイト全体で一貫して伝えていきましょう。
強化のためにできること
- 専門家プロフィールの掲載（経歴・資格・実績）
- 運営会社情報・所在地・実績などの明記
- 事例・レビュー・導入企業のロゴなどの掲載
- 信頼できる外部データ・統計・ガイドラインの活用
| 観点 | 具体例 |
|---|---|
| 専門性 (Expertise) | 専門家による監修・執筆、特定分野に特化したコンテンツ |
| 権威性 (Authoritativeness) | 業界団体への所属、メディア掲載実績、被リンクなど |
| 信頼性 (Trustworthiness) | 会社情報、プライバシーポリシー、ユーザーの声、口コミなど |
AI Overviewsとは？今から対策すべき理由について
本記事では、結論ベースでお伝えしておりますが、 AI Overviewsに安定的に表示させるためには、改めてどのような仕組みで表示されているか基礎を理解しておくことも大切です。
1.AI Overviewsの概要について
AI Overviewsは、Googleが検索結果の上部に表示する「AIによる要約ボックス」です。
- ユーザーの質問に対し、AIが複数サイトの情報を要約して回答
- その下に「引用元サイト」へのリンクが並ぶ
- 従来の検索結果（青いリンク）は、そのさらに下に表示されることもある
このように、AI Overviewsは従来の検索結果のように、サイトに訪れることでユーザーが悩みを解決するのではなく、検索結果画面に、ユーザーが悩みを解決することができます。
2.AI Overviewsによってゼロクリック率増加している
クーミル株式会社では、クライアント含め今からAI Overviews対策に取り組むことを推奨しています。理由としては以下の通りです。
- AI Overviewsによってゼロクリック率増加している
- AIに選ばれる企業がユーザーに選ばれる時代に変わりつつある
AI Overviewsによってゼロクリック率増加している
以下は、SEO分析ツールが公表している、ゼロクリック率の推移です。ゼロクリック率とは、検索結果画面まで開いたものの、URLに訪れることなく、検索終了した割合となります。
上記の画像は、当社のYouTubeチャンネルのLLMO対策について解説した動画にて使用したスライドの一部を抜粋しております。AI Overviewsの出現以降、ゼロクリック率の増加が増えていることが示唆されております。
徐々に、「上位表示化しても見られない」時代になりつつあるため、ユーザーとの接触回数を増やすためにも今からAIO対策に取り組み表示率を高めることが大切であるとお伝えしています。
AIに選ばれる企業がユーザーに選ばれる時代に変わりつつある
当社でも実感している内容ですが、「ChatGPTから紹介された」「AI Overviewsを見て再検索した」などの経路で問い合わせを行う方が増えてきています。
これからは「AIにも推薦される企業である」ことがユーザーに選ばれる時代に変わりつつあります。この流れは変えることができず、むしろ割合は増えることが示唆されるため、今からAI Overviewsに出現されるようにすることは大切です。
2.どのようなクエリでAI Overviewsが表示されやすいのか
AI Overviewsは、すべての検索で表示されるわけではありません。とはいえ、2025年11月25日ahrefsを活用してAI Overviewsの出現度合いを確認すると、500万キーワード（クエリ）を超える出現されています。
実際に出現しているクエリを確認すると、以下のようなクエリにおいて特に出現しています。
- 「〜とは」「〜とは何か」「とは？ 意味」
- 「〜 やり方」「〜 方法」「〜 手順」
- 「AとBの違い」「A vs B」などの比較クエリ
- 「おすすめ」「ランキング」「選び方」
- 「〇〇会社」「XXX 比較」
AI Overviewsへの出現率を高めるキーワード選定
AI Overviewsが出現しやすいキーワードやテーマなどは、前述で簡単にお伝えしましたが、より具体的に自社ビジネスにおいて「どのテーマやキーワードをAI Overviewsで狙うか」設計方法について解説します。
AI Overviewsが表示されやすい検索クエリの特徴（質問型・比較型・手順型など）
AI Overviewsが出やすいクエリのタイプを整理すると、次のようになります。
| クエリタイプ | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 定義・意味系 | 「AI Overviews とは」「AIO対策 とは」 | 概念説明・基礎解説に向いている |
| 手順・方法系 | 「AI Overviews 対策 方法」「〜のやり方」 | 箇条書き・ステップが好相性 |
| 比較・選び方 | 「〜の選び方」「A vs B」「おすすめ サービス」 | 表・比較表が有効 |
| トラブル系 | 「〜 できない」「〜 エラー」 | 原因と対処法をセットで解説 |
自社のサービス内容に合わせ、「どのクエリタイプを狙うか」を決めるとよいでしょう。
収益性が高く、最も狙うべきキーワードは「比較・選び方」です。このキーワードで出現すると、自社サイトにリンク付きで表示してくれることが高いため、最重要キーワードとなります。
「AI Overviews向き」キーワードの洗い出し方
- 既存の上位表示化しているキーワードを一覧化
- 実際に検索して、AI Overviewsが出ているキーワードか確認
上記のような流れで対策すべきキーワードを選定したら、AI Overviewsへ出現しているサイトのURLを確認し、どのような特徴があるか分析します。その差分を理解して、自社のコンテンツをブラッシュアップすることが有効です。
AI Overviewsに引用されやすいコンテンツ設計のポイント
実は、コンテンツの作り方次第で、AI Overviewsに引用される“確率”は上げられます。当社でもAIからの引用率を高めるために過去に公開した記事をリライトを行っています。
1.「質問に対する一文の答え」を最初に置く“結論ファースト”の書き方
ユーザーもAIも、最初に「何が結論か」を知りたいという点は同じです。
結論ファーストの型
- 1〜2文で結論を書く
- その後に理由や根拠を説明
- 詳細は見出しごとに掘り下げる
イメージ
AI Overviewsに自社サイトを表示させるには、自然検索の上位表示・AIが読みやすい構造・E-E-A-Tの3つを満たすことが重要です。その上で、質問型の見出しや箇条書きで情報を整理することで、AIからの引用可能性を高められます。
2.見出し・箇条書き・表を使ったAIが理解しやすい情報構造
AIにとって「構造」はとても重要です。人間の読みやすさだけでなく、機械の読みやすさも意識しましょう。
ポイント
- H2は大きなテーマ、H3は具体的な質問や要素にする
- 手順は番号付きリスト（1. 2. 3.）で書く
- 比較・メリット/デメリットは表形式にする
3.一次情報・事例・データの活用で独自性を高める
AIは類似コンテンツよりも「独自性のある情報」を好みます。クーミル株式会社でもコンテンツ制作を行うときに、実際に自社が分析したデータや見解を交えて作ることを意識しています。
具体的には以下のような要素を加えるようにしましょう。
- 自社の調査データ・アンケート結果
- 実際の導入事例・ビフォーアフター
- 自社独自のフレームワークやチェックリスト
こうした一次情報は、他サイトにはない価値としてAIにも評価されやすくなります。
4.構造化データをマークアップする
構造化データは、ページの内容を機械に伝えるための「タグ」のようなものです。特にAI Overviewsと相性が良いと考えられるのは以下です。
- FAQ：よくある質問と回答
- HowTo：手順・方法を説明するページ
- Article：記事コンテンツの基本情報
例えば、クーミル株式会社のTOPページの場合、以下のような構造化データをマークアップしております。
上記の画像は、リッチリザルトテストによって確認しております。また、上記の画像には添付しておりませんが、細かく設定しており、他にも展開しているサービスや拠点情報などを詳しく入れ込んでおります。
AI Overviews対策でよくある質問（FAQ）
最後に、よくある疑問をQ&A形式でまとめます。
Q1：AI Overviewsに表示されるまでにどれくらい時間がかかる？
A：明確な期間は決まっていませんが、数週間〜数ヶ月単位で見ておくのが現実的です。
- インデックス・評価・再ランキングに時間がかかる
- 検索アルゴリズムの更新タイミングにも左右される
- 自社サイトのみならず、Webサイト全体から評価されるため
Q2：AI Overviewsに表示されても自然検索のCTRは下がらない？
A：クエリによっては、「AIの答えだけ読んで離脱」されるケースもあります。実際に、LLM等からの流入数は現状はかなり低いです。
とはいえ以下のような強いメリットがあります。
- AI Overviewsに引用されることで「ブランド露出」は高まる
- 特に検討初期のユーザーに名前を覚えてもらいやすい
といったメリットもあるため、単純に「悪い」とは言い切れません。
Q3：中小企業サイトでもAI Overviewsに表示されるチャンスはある？
A：十分にあります。
弊社（クーミル株式会社）も業界の中では、中小企業であり、後発組となります。しかし現在は多くのコンテンツで表示されております。
- ニッチなテーマに特化している
- 実務的な一次情報や事例を豊富に持っている
といったサイトは、大手にはない価値を提供できるため、AI Overviewsでも選ばれやすくなります。
Q4：AI Overviewsの内容が事実と違う場合、何か対策はできる？
A：公式な「修正依頼フォーム」が整っているわけではありませんが、以下のような対応が考えられます。
- 自社サイトで正確な情報をしっかり発信し続ける
- 最新情報を反映した高品質コンテンツを継続的に提供する
- 検索品質に関するフィードバックフォームから意見を送る
Q5：AI Overviews対策と従来のSEO対策、どちらを優先すべき？
A：「従来のSEO対策をベースにしながら、AI Overviewsを上乗せする」イメージがおすすめです。
- まずは自然検索の上位表示を目指す
- そのうえで構造・E-E-A-T・一次情報を強化し、AIフレンドリーにする
AI Overviewsだけを狙う“近道”はなく、王道のSEOにAI時代の視点を足していくイメージが最も現実的です。
まとめ
AI Overviewsに自社サイトを表示させることは、
- 自然検索の上位表示
- 結論ファーストで構造化されたコンテンツ
- E-E-A-Tを意識した信頼性・権威性の強化
という王道のSEOの延長線上にあります。
AI検索時代だからといって、これまでの施策が無意味になるわけではありません。むしろ、既存のSEOを土台にしながら「AIにとっても分かりやすいサイト」にアップデートしていくことが、これからのWeb集客で選ばれ続けるためのポイントになります。
